放浪息子 2 [Blu-ray]
第1巻の中学校入学式から主要メンバーの和解(主にさおりとよしの)を経て、
物語のスタートラインに着いたのは実質この第2巻収録の第3話からでしょう。
原作未読の方でも第2話までで何とか主要登場人物の顔と名前が一致するようになったはずです。
第3話ではよしのと修一は共に成長期の身体の変化に戸惑い、
また学校では秋の文化祭に向けてクラスの出し物が決定します。
さおりが提案した「男女が性別逆の役を演じる倒錯劇」は原作では小学校時代にも演じられていたもの。
さおりと修一がそれぞれ脚本を書き上げて先生に提出して、2人の合作に落ち着くことになる。
さおりは修一と一緒にいられる時間が増えて嬉しさを隠せない。
それ故、第2巻は「千葉さんメイン」と言い換えて問題ない内容。
よしの&修一の男装&女装デートも小学校時代を除くと第4話で本編初登場。
よしのの下着をショップに2人で見に行く。
第1話から微妙に出番が切れ切れだった「ユキさん」&「しーちゃん」は
その少ない出番でも何故かよしのとの絡みばかりで、修一との絡みのシーンがない。
安那ちゃんもこの巻から修一に絡み始めるが・・・キーホルダーのエピソードは原作は小学校時代の話。
意外に普通に恋人付き合いしている修一の姉・真穂&瀬谷のカップル・・・・・・・・は順調の模様。
大きな物語的な山場が6話の文化祭のようなので、ここから5話までが助走期間(女装期間ではない)。
しかし・・・・テーマ的にとても真面目な作り。
毎話のEDに入る引き方が素晴らしいと思います。
For You
TVアニメーション「放浪息子」EDテーマ曲として採用されました曲です。
アニメの毎回のラストの引きから「このED曲」へ入る構成の素晴らしさも相まって、非常に好印象です。
やはり作品の繊細なイメージから「女性歌手」に歌わせるのが妥当だったかと思います。
せつなさや青春の儚さなんかを「音」で感じさせることが出来るなんてかなり凄いことだと思います。
それ故にOP曲の残念ぶりが目立ちますが・・・・。
青い花 6巻 (F×COMICS)
百合のジャンルの漫画で、おそらくは只一作品、古都・鎌倉を舞台にした「文学的な香り」が感じられる本作品も遂に6巻目。
あーちゃんを好きと自覚するふみは日を追うごとに気持ちの昂ぶりを抑えられなくなってくる。
あーちゃんの裸を思い浮かべては罪悪感に沈む・・・・・・。
ふみの好きは「好きな人とセックスをしたい好き」。そしてふみが好きになるのは常に「女の子」。
あーちゃんはノンケでしかも恋愛経験がないからどうしても戸惑いが先に立ってしまう。
ましてや、自分自身が「セックスの対象にされる」なんて考えもしなかっただろうから。
でも、あーちゃんはふみの気持ちを真剣に考えようとする。そしてふみの家に泊まった朝、出した答えは・・・・・
本誌掲載時に読者に大反響を巻き起こしたという、あーちゃんのふみの告白に対する返事。
一晩中、一睡もせずに考え続けた程にふみと自身の関係を見つめ直した「新しい二人の関係」が始まった朝。
幼い頃、ふみの引越しで別れなければならなくなったとき、終わりになるはずだった関係。
だが十年の時を経て、再び結び付いた二人の気持ち。
「いままでと変わらないなんてことない。でも変わりないものもあると思う。」
変化しない関係よりも、変化することを望んだ二人。
初めてのデートにふみは緊張して前夜に京子に付いて来て欲しいと泣き付いた。
初めてのキスを交わしたとき、あきらはふみとの身長差を気にして上手く出来ないんじゃないかと心配した。
ふみは文芸部から部員不足の演劇部に移籍。三人娘のうち、ポンとやっさんには自分の好きな人は女性だと告げる。
あーちゃんも京子にはふみと付き合い始めたことを話したが、事故で周囲のクラスメイトたちにも知られることに・・・。
ふみ&あーちゃん以外でも今巻の表紙に登場の大野さんのお姉さん・織江&山科日向子先生の恋も現在進行形。
しかし・・・恐ろしく「続きが気になるお話」だ。
For You(初回生産限定盤)(DVD付)
だけれどこの曲がEDで使われるアニメの雰囲気がとても切ないためこの歌も何だか切なく感じます。
放浪息子を見て、この曲を知って、アニメとの相性もあり自分の中でとても良い曲になり買ってみました。
つまり自分の中ではアニメありきな訳で、アニメを知らない人にとっては参考にならないレビューかも知れません。
歌唱力や楽曲の完成度はやはり高く、カップリングも良い感じです。このアーティストを知る良いきっかけになりました。ありがとうノイタミナ。
アニメで使われるバージョンとはまた違ったアレンジがされているため、あのEDが欲しいという人は注意が必要ですが、これを買っても損はしないでしょう。
あと目的の一つであった志村貴子先生の描き下ろしステッカー(初回板は女装男装バージョン)も素敵です。
できればEDバージョンも入れて欲しかったですが満足です。アニメ放浪息子が好きな方は是非。
放浪息子 1 [Blu-ray]
「放浪息子」アニメーションです。
原作は10年近く連載していて、小学生から中学生へと移っていく過程でのお話ですが、
「思春期前夜」から開始している漫画とは異なり、アニメは原作の5巻・中学生編の「思春期」からのスタートになります点をまずご注意下さい。
画は淡い水彩画のような雰囲気で終始映し出されていて美麗です。但し、キャラの画は原作見慣れているとやや違和感あります。
特に
「修一」
「よしの」
「誠」
の3人は原作画の雰囲気との乖離が大きい。
テーマソングもOPでは男性、逆にEDでは女性を起用しているのですが、作風を考えると両方とも女性が良かったように思います。
実際にOPよりはEDのほうが作品のイメージに合うというか違和感がないです。
1話の中学入学式でいきなり主要キャラだけでわらわら登場するので、原作未読の方は最初で混乱すると思います。
それと特筆は主役の二鳥修一役に現役中学生の男の子を当てている点。
普通はこれくらいの男の子の役は「女性声優」を当てるのが当然でした。
しかし、この作品ではリアル志向からか男の子を配役しています。
確かにリアルなのかもしれませんが・・・原作から二鳥君の声を「可愛らしいもの」と想像していただろう多くのファンには肩透かしな点も
弊害として出てます。それに演技もお世辞にも上手いとは言い難い点も併せて。
他の声優の方は問題ないですが。
途中を端折られた感がバリバリの原作の「小学生編」は中学生編の中の「回想シーン」として度々登場するという構成の模様。
21世紀になってから新規で開拓されたアニメのジャンルに
・百合もの(少女同士の恋愛・友情をテーマにした作品)
・女装する男の子をテーマにした作品
がありますが、これは実は後者の作品とも言い難いです。
なぜなら既存の後者作品(所謂「男の娘(おとこのこ)」作品)はコメディ調のものばかりで、
女装することを真剣に向き合って描いてきていた作品は皆無だったはずだからです。
これは全編を通して「何故、女装するのか?」を真剣に描く作風のようだから、
女装するキャラを笑って楽しもうなどという目的では観れないと思われます。
逆に言えば、本来はこのテーマ。真剣に描いたら「重すぎて、とても直視できない内容」になるのだと想像されます。
だから他作品は「真剣に真正面から描くことを避けてきて(コメディ路線に逃げてきて)いた」とも言えます。
そこを切り込むこの作品。この作品が「初めての逃げない作品(作品テーマをコメディ調で誤魔化さない作品)」になるんでしょう。
討ち死にするか?はたまた見事に大将首を挙げるのか?
正に「刮目して観よ!(注意して観なさい)」という言葉が相応しい作品と思う。