initial イニシャル ~岩井俊二初期作品集~ [DVD]
本作は8作品が収録されている。1991年〜1994年のTVドラマなので、ヘアスタイルや着ているものはバブル崩壊頃の雰囲気抜群だし、つい最近発売されたのに画質面でのレストアがされておらず、いい状態だとはいえない。パッケージが豪勢なのはよいが、肝心の絵についても究極を目指してほしかった。決して安い買い物じゃないしね。ともあれ、これらの作品では岩井俊二の原点を知ることができる。1991年は本当に映像作家・岩井俊二デビューの年であり「見知らぬわが子」は面白かったが、まだまだ未成熟。続く1992・93年ころの作品も「夏至物語」のような今の岩井ワールドに通じるような作品もあるが、全体的には「普通」である。要はこの時点ではまだ岩井俊二「らしさ」の片鱗しか観ることができない。しかし、最後の「ルナティック・ラブ」は違う。他のがTVらしいチープ感満載であったのに対して、これだけが「カツドウ」なのだ。主役が豊川だからではない。作り方が「映画」になっているのである。初めて岩井作品に触れる人も「アレッ」と思うはずだ。それはその通りで、実は前年に名作「打ち上げ花火、下から見るか、横から見るか」を作り上げているからであり、本当ならばこれも本作に入れなければならない。だから「ルナティック」はレベルが違うのだ。おまけにこれは篠田昇×REMEDIOSという大黄金トリオでの第1作であり、まさしく映像力が他作品と段違い。でもこの1作品のみで本作を勧めるには高いし、また「ルナティック」は他のDVDにも収録されているので、そちらでも良いかもしれない。岩井ファンにとっては必須のコレクターズアイテムだが、少しマニア向けかもしれない。
夏至祭 (長野まゆみEarly Works―少年万華鏡)
長野まゆみさんの本の魅力はその文章にあると思います。旧字体で表されるレトロな雑貨たち、濃密な時間などの文章は読む価値があると思います。最近の長野さんの作品はちょっと・・・・という方にもこの作品はおすすめです。
夏至 特別版 [DVD]
抒情的なムードで描かれる3姉妹の物語
全体的にたんたんとした展開で進んでいくのが
なんだか一昔の映画のよう。
愛と不倫は、どこの国でも永遠のテーマなのかも
ベトナムの淡い色合いと間に挟まれる歌が
なんともゆっくりとした映画・・