魔王 [DVD]
このドラマは、「復讐・サスペンス」という、
私の好きなジャンルだったのがきっかけで見始めたのですが、
終わるころにはそのストーリー・キャスト・完成度の高さに、
すっかり虜になっていました。
細かく緻密に絡み合う伏線、登場人物たちの心の声が、
様々な角度から、とても遠回しに、訴えかけてきます。
このドラマが伝えたいものの全てを読み取るには、
1度観るだけでは到底足りない、深い深いドラマです。
そしてその絡み合う伏線が繋がる先を、
回を追うごとに、ひとつ、またひとつと味わえる快感は、
最近のドラマでは味わえなかった感覚でした。
また、このドラマに掛ける製作側の情熱というものが、
ひしひしと伝わってくるのもオススメしたい点です。
画面いっぱいに「魔王」ドラマのこだわりを散りばめ、
視界に入るもの全てに意味があるんだと言わんばかり。
特に、ひとつの場面を完成させるために、
何台ものカメラを回して色んな角度からの映像を繋ぎ、
伝えたいことを言葉、表情、音以外の「空気」で伝えてくるんです。
本当に素晴らしい作品です。
冷たい目、温かい目、怒りの目、優しい目、切ない目、哀しい目。
大野智くんの演技には、何度泣かされ、何度胸を締め付けられたことか。
表情だけでこれだけの感情を伝えられるものなのでしょうか。
私は魔王で初めて大野智くんのことを知りましたが、
本当にその稀有な存在感・演技力に圧倒されました。
涙ってこんなに出たっけ?ってくらい泣きました。
魔王を見た夜は毎晩、夢に領の姿を見ました。
そのくらい、心に焼き付く作品でした。
ドラマのDVDは一度も購入したことのない私が、
発売の決まった頃には注文していました。
また、あの切ないドラマに、領の生き様に、逢いたい、そう思ったからです。
大野くんファンに特にオススメしたいのは特典映像。
独特のポンワリした雰囲気を、領のスーツ姿で出す大野智くんは必見です!
額に油汗、腹には血を滲ませながら滑舌悪く話す領は、このDVDでしか見られませんよ(笑)
ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論
天皇について書かれた本は数多いですが、偏っていたり、不明確であったり、いまいちなもんばかりです。
それは、今も昔も、天皇が日本にとって、日本人にとって大きな議論を巻き起こすものだということでしょう。
よって、天皇について書かれた入門書というのは、非常にみつけにくいものです。
私自身も、10年くらい前に、天皇のことが知りたくていろいろと読みましたが、なかなかこういう良書に出くわせなかったです。
そのくらい、よい天皇、日本についての良書だろうと思います。
また、構成も売れっ子漫画家だけあって、非常におもしろい。
普通、こういう教養本になると、内容の羅列となり、全くおもしろくもなんともない、タダの教養本に成り果ててしまいます。
そういう意味でもこの本は十分値段の分の価値があるし、それ以上の価値があります。
是非、読んでほしい一冊であり、是非、英訳して海外の人々にも日本を紹介する本として、また、政界最長で政界最良の君主とはいかにあるべきかを学んでほしいものです。
是非英訳を望みます。
ベスト・オブ・ベスト/日本の名歌
瀧廉太郎作曲の「荒城の月」「花」「箱根八里」、山田耕筰作曲の「この道」「からたちの花」など日本の古典的歌曲を始め、珠玉の作品を集めたと言える歌曲集です。この4枚組に収められた115曲は、後世に歌い継いで欲しい曲が沢山含まれていました。懐かしの小学唱歌や童謡も多く含まれていますので、幅広い年代に愛される企画だと思いました。
収録されている声楽家も素晴らしいメンバーでした。立川清登、伊藤京子、中沢桂、松本美和子、澤畑恵美、中村邦子、木村宏子、中村健、永田峰雄、斎藤昌子、吉田浩之、本宮寛子、そして関西を中心に活躍しながら、今や全国的な活動を広げている三原剛、畑儀文、そして日本の声楽界における重鎮・畑中良輔の「沙羅」の名唱を聞くことができます。ここに収録された何人かの声楽家の声を聴きましたが、CDとして聞くとそれぞれの発声法における個性の違いが結構分かり、新たな発見がありました。
録音年代が書かれていません。結構幅広い年代にまたがっているとは思いますが、聴感上の支障はなかったですね。ピアノ伴奏は、声楽、合唱伴奏に多くの録音を残している三浦洋一、浅井道子によるものが大半ですが、他に青島広志、塚田佳男、藤井孝子という名も見えますので、安定した音楽が展開されています。
これらの録音の貴重さは、何人かの方がすでに鬼籍に入られていることから日本の声楽家の歩みという点から見ても歴史的な価値を見出します。
全曲とも解説が書かれていますし、小山晃氏による声楽家の紹介も詳しいものでした。ただ出来れば伴奏のピアニストの紹介があっても良かったかな、と愛好家の一人として思います。
すいか DVD-BOX (4枚組)
放送中は毎回観る毎に惹かれるドラマでした。
役者も脚本も素晴らしく、匂いがこちらまで伝わってくるようで。
この作品に関しては「評価」というものが出来ないのです。
いくら説明しても、「観ないと面白さがわからない作品」だと思うので。
腰をどっかり据えて、
じっくりじっくり何度も何度も観ればその都度惹かれていくドラマであると思います。
なので、本当にこうしてDVDとして発売されたことが本当によかった。
するめイカのように味わってほしいです。