たんぽぽのまつり (TENMAコミックス LO)
町田ひらく作品との出会いは私が大学生の頃なのでかれこれ10年以上前になります。
ふとしたきっかけでいまだに作品を執筆されていることを知り、今回の書籍を購入しました。
10年前の印象としてはかなりいっちゃってる覚えがあったのですが、久々に氏の作品を見て
10年経った町田ひらくにお会いできました。
コアなのはコアかもしれません・・ガチロリですしw
でも作品全体に漂う「憂い」は同じ雑誌に載っているわけわからんロリマンガ作者たちとはまったく
ちがう深みのものだと思います・・・・。
エロマンガというジャンルはそのままですが、昔愛読していた大江健三郎の作風がどんどん変わっていったように、なにか作者の瞑想(迷走)なども反映されているような趣のある作品になっています。
ただの「ネタ」ではない(もちろんそちらの使用も可)マンガを読みたければこちらをご覧ください。
町田ひらくさん、あなたはどこから来てどこに向かうのですか?
黄泉のマチ (TENMA COMICS LO)
茜新社のロリータ雑誌「『COMICLO(エルオー)』に載った著者の作品を集めた単行本。「大人のメルヘン」を描いてあるが、設定がえぐいのが特徴。虚無的な静けさが漂う、この手の作品では異質な逸品。
sweet ten diary (TENMAコミックスLO)
★4の下。
著者の11冊目。
タイトルおよび作品一行コメント全割愛御免。
巻頭にカラー4頁。作品毎に1頁の作品解説アリ。至る所にコンテ有り。後書き2頁。栞の付録付き。短編11編とショート2編を収録。
90年代のものと04年前後のものが各々半数な、単行本未収録作品群の寄せ集めですのでご用心。
作品レベルの総合評価なら★4の中といったところですが、作品の方向性が大きく異なり、3分の1ランク減点。
方向性が異なっても『美味しい混ぜご飯』みたいな作品集もありますが、この作品集はさしずめ、前菜がキャビアで、スープがトムヤムで、メインがステーキで、箸休めが納豆で、デザートがナタデココ、みたいな一冊ですので、そんな食い合わせが可能な方へならとてもお薦めなのですが…。
著者未体験なら回避推奨。
『町田ひらく』をこよなく愛してる方は、絶対にゲットしてください。
著者の作品集を4、5冊もっていて、とても好きだから買ってみたいと思う方へなら、充分お薦めの範囲内。
『黄泉のマチ』1冊が気に入ったのでぜひと思ってる貴方へなら、要注意。
エロ本というよりは、少女のモチーフでエロシーンを媒体にして描かれたエロ漫画で、思いっきりファンタジーなものから社会の一側面を謳ったものまで。
こうして、闇に消えたかもしれない旧作を一冊の単行本としてまとめてくださった茜新社様に、個人としては心から感謝。ぜひ第2弾も期待。
個人的には手放しで嬉しいけど、『ANNE FRIENDS』こそ、ぜひ復刻して多くの方に読んで欲しいですし、『きんしされたあそび』をぜひLOレベルの消しで復刻していただけたらなと思います。
現在LOで描いてるような方向性はずっとずっと大切に続けて欲しいですが、昔コアで描いてたような方向性の作品もぜひまた魅せて欲しいです。
『deformity』『アダム達とイヴ』が最愛。全作品超大好き。