歌謡紀行VIII~安芸の宮島~
水森かおりさんは、数多くのご当地ソングを歌っています。
自分の地元の歌を歌ってもらうとうれしいなぁと思ったら、
「三陸海岸」がTRACK 13にありました。
すごーーーーい。さっそく聞いたら、大変すばらしくできてました。
ありがとう
三陸海岸大津波 (文春文庫)
2011年3月11日に発生した、三陸沖大地震の直後にこの本を手にした。
予想はしていたが、ここに描かれている明治29年。昭和8年に三陸海岸を襲った津波の様と被害の様子が、
今回の被害とあまりにも酷似しており、驚きを禁じ得なかった。
歴史が繰り返されている・・・
思い出すのは、同じ吉村昭が書いた『羆嵐』。繰り返される羆の被害とその恐怖に、ついに住民はその土地を離れた。
一方、三陸海岸の人々は、この土地で生き続けることを選択した。
先祖代々の土地への愛着もあっただろう。自然と対峙する覚悟があったのかもしれない。
特に、壊滅的な被害を受けた旧・田老町の防災意識は高く、10mもの防潮堤を築き、町を挙げて防災に取り組んできた。
人々は、自然と共存するための努力を続けてきたのだ。
しかし、今回の津波は、そんな人々の想いや備えを、無惨に打ち砕いてしまった。
旧・田老町は、またもや甚大な津波の被害に遭い、三たび壊滅的な状況にある。
自然の猛威に、人間の力はなす術がないのだろうか・・・?
住み慣れた土地での生活の復興に、人々が希望を失わないことを信じている。
ただ、過去の災害時と比べて、状況には明らかな違いが生じている。それは原発の存在である。
原発の被害状況によっては、人々の希望が守られていくのか、大きな懸念を感じる。
この本を読んで最も衝撃的だったのは、このような自然災害が繰り返されることがわかっていたはずなのに、
その地に原発が作られているという事実である。
この文を記してる時点で、今回の津波による被害の全容は明らかになっていない。
しかし、過去に類を見ない規模の災害であることは間違いない。
被災されたみなさまへのお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々のご冥福を、心からお祈りしたい。
文藝春秋増刊 吉村昭が伝えたかったこと 2011年 09月号 [雑誌]
「書くこと」と「書かない人」というインタビューを読みたくて買った。
このインタビューは単行本にも収録されているが何度読んでもいいもんだ。
作家で、無頼そのものならいいが、無頼を気取る人は多いが、
吉村さんのように誠実な人は実に静謐で良いものだ。
静謐であることはそのまま作品の安定感なのである。