ひとりぼっちのスタジオ(紙ジャケット仕様)
英国ウェールズ出身のミュージシャンの代表格であり、
今日までR&R魂を貫く演奏スタイル、そしてプロデュースで
ストレイ・キャッツやポールキャッツ、ダックス・デラックス
やフレイミン・グルーヴィーズなどを手掛けたことで
パブロックの範疇を超えてリスペクトされまくるデイヴ先生。
本作はそのデイヴ様の音楽的志向を箱庭的なセルフ録音で
極めた、彼のファンならば持っておきたい1枚です。
正直、「一人スペクター」とでも言いたいその仕事ぶりは
本国よりも熱心なフォロワーが多い英国人ならではの
愛情と執念?が叩き込まれています。かと言って半分位の
トラックはそちらに流れず、記念すべきブリンズリーとの
共演ライブやニック・ロウとの共作・共演なども入っており
ロックパイルから遡ったファンにも十分楽しめると思います。
そしてこの紙ジャケは、永らく未CD化だったシングルのB面、
そして同時期にデイヴ先生が音楽を担当した映画「スターダスト」
(このサントラもできたらCD化希望)のアウトテイクと
思われる、ビートルズのカヴァーで有名な「サム・アザー・ガイ」
を追加収録。音源的にも充実しております。それにしても
「パブロック界の西城秀樹」やなぁ、デイヴ先生・・・ニックは
そうなると野口五郎やなぁ・・・^^;)
ひとりぼっちのスタジオ
75年発表の2nd。デイヴ・エドモンズのイメージは頑固でロックンロール一筋なところがあるんだけど実際には全然違う。テビューにあたるラヴ・スカルプチャー時代には剣の舞のロック・バージョンをヒットさせるアート・ロックぶりを発揮し、80年代にはジェフ・リンと組んでテクノっぽいアプローチをしてみたり、90年代にはロカビリー風・・・と本当はかなり節操がない。もちろんここがこの人の最大の魅力ではあるのだけど、このアルバムではほとんど一人の多重録音でアルバムを仕上げ、フィル・スペクターの1.と4.を思いっきりスペクター・サウンドでカヴァーしている・・・物凄いオタク振り。はっきり言って聞き物です。Let It Rock のみブリンズリー・シュウォーツがバックを勤めたライヴです。
トラックス・オン・ワックス4 TRACKS ON WAX 4(紙ジャケット仕様)
78年発表の4作目。ニック・ロウらを含む (第二期) ロック・パイルとしての初レコーディングにあたる作品で、デイヴの作品としては、地味な位置付けになっているのが不思議なくらい充実した内容を誇っている。1.はメンバーのビリー・ブレムナーの曲で、ライヴではビリー自身が歌っていたらしい。2.はデイヴとニック・ロウの共作で、ビーズ・メイク・ハニーのジェリー・ホーガンのペダル・スティールが絡む。3.もビリーの曲。4.はニック・ロウがカーサル・フライヤーズに提供した曲。5.もデイヴとニック・ロウの共作でエヴァリー・ブラザースを彷佛とさせる佳曲。7.もデイヴとニック・ロウの共作。9.はデイヴとウィル・パーチの共作。11.はニック・ロウの1stに収録されていたライヴ・バージョンのヴォーカルをデイヴと差し換えたもの。
ざっと見てもどれだけ魅力的なアルバムであるかは分かると思う。パブ・ロックのファンは必聴