出発点―1979~1996
この本は、宮崎監督が、そのアニメーション映画の裏に込めた、歴史学、環境学、宗教学、社会学、生物学、その他多岐なる分野にわたる、鋭い視点を知ることが出来るとても良い本だと思います。
この本では彼の映画を作ることに対する姿勢や、彼が作品の裏に込めた願いが良く伝わっていて、それにとどまらず彼の歴史観、人間観、自然観が鋭い論点と情熱を持って語られています。
僕は、この本は、日本を代表する一人の鬼才が、現代とはどういう時代なのか、人間にとって、そして歴史や文明の流れの中で、これからどういう時代が訪れるのか、私たちはその中で何が出来るのか、これからの様々な問題に対する示唆を与えてくれる、貴重な一冊だと思います。
覇王の家〈上〉 (新潮文庫)
よくいわれることですが、司馬氏や山岡荘八氏は、敗戦をした日本を問い続け、未来を見ようとした作家だと思います。なぜ、彼らは問い続けたのか。
私は古代からの歴史全般の中で江戸以前の日本と、今の日本に断絶があるような感じを持っていたのですが、この本でひとつの回答をえた気になりました。
良くも悪くも、維新や敗戦を経てなおこの国にはびこるものを感じ取るのによい作品だと思います。
狸親父から太平を呼び、維持しようとした偉人にして苦労人へとイメージ転換に成功した山岡版家康とは全く違いますが、つかみ所がないにもかかわらずすごみを感じる家康像です。
日本の放浪芸
LPでもっていて、CDが出ていたのを偶然見つけて買いました。もう消滅してしまった日本の原風景を生の声でパッケージングした名企画です。昔聞いた見せ物小屋の巻を聞いてぞくぞくしました。上のレビューに上げ底はいかがなものかと書いてあるのですが、上げ底ではありません。細かい解説書の復刻からみっちりと入っています。続編も買ってしまいそうです。とにかく無形の日本の宝ではないでしょうか。
10th Anniversary 劇場版ポケットモンスターダイヤモンド・パール「ディアルガVSパルキアVSダークライ」ミュージックコレクション(DVD付)
CDの方は、オーケストラで仕上げているので、しんみりかつ壮大な音楽を
聴くことができるでしょう。盛り上がりを期待するというよりは、丁寧な
つくりの音楽を深く楽しむ感覚でお買い上げくださいね。よって、お子様に
うけるかはちょっと保証できかねますね・・・。でも、DVDの方は十分お子様
にも堪能していただけるのではと思います。今までの劇場版ポケットモンスター
過去10作をダイジェストに収録しているとあって、嬉しいですね。残念ながら
画質は当時のままらしいので、最高画質とまでは言えませんが、振り返るという
大きな目的でご覧になるといいと思います。
最後に注意。今年の映画の主題歌「I will be with you(Movie Ver.)」は収録されて
いません。別売りのCD(税込¥500)をお買い上げください。(こちらもおすすめです!)