まんがで読む古事記
さまざまなところで眼にしてきた古事記の物語ですが、いつも断片的であり、順序がよく判りませんでした。
この本を読むと、その基本の流れが理解できるように思います。
「天と地の始まり」を「聖書」とどうしても対比してしまうのですが、書かれた時代が西暦で712年。
ローマが衰退していったあとですから、ユーラシアを経由して日本にヘブライの文化が伝わり、それまであった日本の神話の集大成のベースに使われたのかも知れないと思うようになりました。
アダムとイブがイザナギとイザナミに置き換えられているような、そんな見方も面白いような気がします。
そのあとのエピソードは、聖書の民族史的な流れとは違って、物質とか自然現象を、神という眼に見えぬ存在によって説明するための物語のようで、日本文化の持つ自然との調和を重視する感覚の元になっているような、そういう思いがいたします。
天皇と皇室のご存在が、日本独特の技術・芸能の擁護になっている理由が理解できるような・・・
続編が待たれます。
まんがで読む古事記 第2巻
劇画調の影響を受けた漫画家さんの第2弾、古事記続編の物語、1巻でもレビューしましたが、この漫画家さん、人物画はイマイチですが、建物や背景画がかなり上手いです。今回は下界に降り自国を築いたスサノオ神や天上界を治める姉アマテラス神のその後の物語、彼ら神も人間の様に歳をとるのですね、ビックリしました。とても興味深い物語りで楽しく読む事が出来ました。これから、現代語訳版の小説で古事記の世界に再チャレンジをしたいと思っています。