ロス:タイム:ライフ第10節猫編・第11節ロックスター編 [DVD]
auのコンテンツだったので「知る人ぞ知る」作品だった
『ロス:タイム:ライフ』の続編が、このDVDリリースで
グッと見やすくなったのには、単純に嬉しい。
『ロス:タイム:ライフ』はもともと、筧昌也という監督の
プライベートフィルムに端を発し、持ち味が強く出た作品である。
そういう意味で言えば、氏が脚本、コンテ、演出を全てこなした
この続編は、他脚本家や演出家が多く入っているTVドラマ版以上に緻密だ。
監督の持ち味も作家性も遺憾なく発揮されている。
残念ながら筧氏は、今はまだ長編監督の機会にあまり恵まれていないので、
そちらの評価はまだしかねるが、こと商業短編作品の作り手とすれば、
間違いなく、今の日本の若手で随一の腕前を持っている。
その早撮りとタイトなスケジューリングは、メイキングパートからも伝わるが、
だからと言って中身まで安価な作品だろうと侮るなかれ。
谷村美月、武田真治のキャラを存分に引き出した、非常に愉快な作品になった。
完成度、TVドラマ版以上。気軽に楽しく見て頂きたい。
ロス:タイム:ライフ (親子篇) [DVD]
ガチでこれは『ロス:タイム:ライフ』シリーズ中の最高傑作。
シリーズをずっと追いかけて観てきたが、まさかの展開に、思わず感涙。
大体の連作ドラマというものは、作ればつくるほどパワーダウンしていくものだが、
回を重ねるごとに高くなる(特にTV版以降が、イイ!)完成度には、参る。
TV版第一話の瑛太も、最終話の大泉洋も越えた、こども店長の演技力に驚愕。
脇役のキャスティングやコネタのディティールも、凝りに凝っていて、
画面の隅々まで眺める楽しさもある。「神は細部に宿る」この手抜きの無さ!
ぶっちゃけ、20分強ではもったいない。尺が1時間でもいいぐらいだ。
しかも、ワールドカップイヤーのうちに観れば、なお愉快な気分になる仕掛けも。
……ただ、値段が高いのだけは、本当に勿体無い。
これはメーカーの猛省を促したいところ。
何を考えてこの価格設定をしたのか、全く理解に苦しむ。
PANIC FANCY
ORANGE RANGEの全盛期といえば花やmusiQの頃。そして毎回出るシングルはポップで覚えやすいメロディ…
きっと「ORANGE RANGE=ノリで生きているチャラチャラしたバンド」と思っている方も多いのではないでしょうか?
確かにそれが彼らのいいところの一つでもありますが、ORANGE RANGEのもう一つの良さがアルバム曲にあることもぜひ知ってほしいです。
シングルとアルバム曲の構造はまるで違います。特にリーダーNAOTOの作る音楽の世界がすごい。
10代、20代の女性ファンが多いバンドですが、RANGEのアルバム曲やカップリング曲はぜひともコアな音楽ファンの方にも聞いてもらいたいです。
逆にORANGE RANGEのノリの良さが好きな方はシングルで十分だと思います。
一般受けするアルバムはmusiQまでだったかな、と思います(^^;)
ORANGE RANGEは歌唱力、演奏力がずば抜けて素晴らしいバンドとは言えません…。
けれど彼らには何か人を惹き付ける音楽を作る才能があると思います。
ORANGE RANGEの違う一面を覗いてみたい方はぜひ、このアルバムを聴いてみることをおすすめします。
5枚のアルバムを出している中でも、このアルバムはポップかつRANGEの独自の世界観が広がる手にとりやすいアルバムに仕上がっていると思います。
PANIC FANCY(初回生産限定盤)(DVD付)
ベストを挟んで2年越しのリリースなので、首を長くして待っておりました。
全体を聞いた感想では、とにかく色んな曲が多いです。
バラード、ポップ、ロックなど。
変わっていない様で、変わっている。そんなアルバムでした。
あとシングルも多いためか、聞きやすかったです。
簡易レビュー。
1. Beat it
アルバム一曲目。今までのアルバムに比べると、
ユルい感じで始まります。変調がいい。
2. イケナイ太陽
テンションが上がるイントロ、サウンドのゴリゴリ感が好きです。
3. 世界ワールドウチナーンチュ紀行 〜シーミー編〜
リミックス版とは裏腹に明るいサビ。
個人的には「DANCE2」のような曲調を期待したのですが、
これはこれでヨシ。
4. 君station
バラード。「花」と聞き比べると大分聞きやすく、成長を感じられます。
テーマは「輪廻転生」らしいです。
5. ソイソースVSペチュニアロックス feat.ORANGE RANGE
カオスな一曲。三部作あった詩を繋ぎ合わせて出来たらしいが、
どんな三部作なのだったのだろう。
あとサウンドの切り替えが自由すぎます。ある意味凄い。
6. Sunny Stripe
野球のテーマソングだけあってか、元気な一曲です。
7. 現実逃避
このアルバムの中では好きな一曲。
ネズミ国のような世界観を醸し出しつつ、
レンジ特有のトリッキーなサウンドが絡み合ってます。
8. シアワセネイロ
バラード。展開は早め。
シンプルな感じですが、好きな一曲です。
9. 5
歌詞が気になる。
あとYOHさん、何処で歌ってるんだ・・・?
10. O2
アニソンだけあってか、勢いのある一曲。
11. イカSUMMER
テンション高い夏ソング。
12. 太陽とひまわり、周りなんか気にせずに・・・夏。
イカSUMMERの後で聴くと際立つ、夏ソング。
歌詞がレンジらしいです。
13. 冬美
サビが演歌調な冬ソング。
「花想」「雨」「ジャパニーズピープル」並の鬱曲。
このアルバムの中ではかなり好きな一曲。
14. ドレミファShip
最後まで突っ走る勢いが感じられるポップチューン。
最後の曲と合わせて聴くのがお勧め。
15. Happy Birthday Yeah! Yeah! Wow! Wow!
ホーンサウンドが心地よいです。
ココまで聴くのがあっという間で、また初めから聴きたくなります。
「スーパー名医」が医療を壊す (祥伝社新書187) (祥伝社新書 187)
本書のタイトルにはやや誤解を招くところがあり、「患者の「医師は無償の完璧でないと絶対に許さない」という幻想が医療崩壊を招いた、の意味となろう。私自身医師であり、著者(ご本人が述べるようにタレント医者でもその道の権威でもないごく平凡な臨床医である)の意見には非常に共感した。
著者はドラマや漫画を引き合いにし、患者の医師に対する感情を明らかにしていく。漫画ではゴッドハンドがでるが実はそれは患者の医師に対する期待ではなく、「医師は自分たちのため医師の人生を全て犠牲にして死ね」という残酷な意味合いがある。それが我々本職が医療ドラマをみて共感できない一因だろう。さらに著者は(実はここまではっきりと記載する医師はいそうであまりいない)はっきりと「社会は医師が大嫌いである」と書くが私もそれは現場ではっきりと感じる。私自身僻地で医療に従事したことがあるが、医師は村の名士どころか挨拶しても看護師や教師には無視されるたり一回もあったことのない女性から受診もしていないのに40分以上罵声をあびせられるなど散々な目にあい、へき地医療に対し絶望したものである。
結語に著者は日本人が「人間はいつか死ぬ、ということが理解されていない」のが問題と結ぶ。実際に患者から「95歳の早すぎる死」と言われたことのある私もその意見には全面的に賛成で、「医療崩壊」(といっても現在のように人類史上国民皆保険をできたことは現代日本とキューバ以外にはないだろう)を改善するにはハードの改善のみならず日本人の心のあり方にも目を向けるべきと著者とともに思うのだ。