カオス
Track1~2が76年5月(クレジットは4月)のSpedding Sessionsです。プロデューサーにクリス・スペディングを迎えて、本作収録の2曲と「Pretty Vacant」を録音したもので、時間の都合でちゃんとしたミックスダウンはされませんでしたが、これがセックス・ピストルズにとっての初レコーディングだったそうです。音は結構良好ですよ。Track3~7がアルバム『Great Rock N Roll Swindle』のdifferent mixです。こちらもなかなかの音質です。そして、Track8~10がスウェーデンでのライブで、ベースはシド・ヴィシャスです。音質はいまいちです。全て、結構レア音源だと思いますので、聴いてみる価値はあると思います。
短篇集hi mi tsu ki chi ヒミツキチ (ビッグコミックススペシャル)
大満足の短篇集。
他のレビュアーの方がおっしゃっているように、
一枚画と文章だけ参加の方もいますが、
それを差し引いても十分な価値。
どの短篇も本当に心にじわっときて、あたたかい気持ちになります。
個人的には業田良家さんと三好銀さんの短篇が特におすすめ!
造本もとても良くて、自分で持って大事にしたくなる本です。
刑務所の中 特別版 [DVD]
主演が山崎努という事でかなり安心して観られました。ユルさが良かったですね。懲罰房でのトイレも我慢して袋貼りに必死になってるシーンは共感が持てて好きなシーンです。他のキャストも個性が強くて、特に香川照之が演じたお坊っちゃま受刑者は間の取り方が絶妙で巧いなぁっと感心しました。何度観ても楽しめる作品です。
コミック幽 2 (MFコミックス)
参加メンバーに惹かれて購入致しました。
掲載誌は読んでいなかった為、この贅沢なメンバーの初めて読む作品ばかりに巡り合えて幸甚だったのですが、諸星、高橋、花輪、押切の4氏は皆6-8ページの作品をきっちり6篇ずつ描いています。
諸星大二郎さんの作品は贅沢を言えば短編でも20-30Pの物を読みたかったと思います。与えられたページでも充分怖い話ではありますが、従来の氏の作品に比べるとややあっさりしています。
高橋葉介さん、押切蓮介さんの方がこの長さの短編には習熟されて居る様で皆傑作ですが特に押切さんの「咎(とが)」と言う話の怖ろしい結末が見事でした。
花輪和一さんがもうこの方しか描けない作品を書いて居られます。お好きな方は是非。私は氏の作品に病み付きなので大変満足致しました。
太田垣晴子さんは妖怪を取り上げて一言語る小粋なエッセイを、河井克夫さん(傑作!)と岸浩史さんは書き下ろし作品、波津彬子さんは芥川龍之介原作を漫画化した再録作品です。
掲載誌が別冊扱いなので年に2回しか刊行されず、前単行本から3年振りの続編ですが、主な漫画家4人はその間に出た号全てに作品を寄せており、編集部の熱意と気の長さ共々大した物だと思います。
スプラッター物は殆どなく、後からじわりと怖がらせる本格怪談漫画アンソロジーです。これからの猛暑のお供にお薦めです。
刑務所の中
ある人が銃刀法違反で逮捕された。ガンマニア趣味が高じての事であり、人を殺傷した訳ではなかった。その人の職業は漫画家だったのでした。
本書にもあるように、いわゆる「獄中記」であるに関わらず改悛の情はホトンド感じられない。理由が理由だけに仕方ないのだが、それ故に服役生活が『日常化』され「体験記」というスタイルになる事を可能にしている。一般的に、漫画化するならばあまり内の状況が知られていない職業を題材にするのが好ましいが、「囚人」というのはあまり見た事が無い。しかも「ふーん」程度に気軽に面白おかしく読める獄中記というのは初めてなのではないだろうか?
作者は撮影もスケッチも許されない為、一切の資料を記憶だけに頼り製作した様である。にも関わらず牢内や作業場だ!!けではなく、食事の献立等も詳細に記されているのだ。同部屋の服役囚達とのやりとりや、刑務所内の規則、仕事内容等々ひたすら観察されており、常に一個人の視点で描かれている。作者自身が相当に個性のある人物であるだけに面白さも倍増である。
前代未聞の「獄中体験記」。なんとも味わい深く面白い漫画である。買って良かった!