リスボンの小さな死〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
歴史的な時間軸を取り入れた構成は叙事詩的な爽快感がある。だが、この本の魅力は、必ずしも物語性やプロットの妙といったところにだけあるわけではない。まるで映画を観るように、登場人物たちの姿をまざまざと思い描くことができるのだ。それは、彼らの行動だけにとどまらない。作者の心理描写は、まるで人物と相手との距離感までがつかめるように、息づかいといったものをもっている。頬を合わせる挨拶は西欧の習慣だが、そんな小さなシーンにさえ、自然に反応できる。自分に娘がいて、今この状況なら、きっと身体が勝手に動いて思わずそうしているだろうと思える。人物たちが小説の中だけの謎めいた存在として過ぎ去って、どこにいるのかも判然としないような、ミステリー特有のあの読後感がまったくなかった。
リスボン物語 (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD]
ヴェンダースというと「ベルリン天使の詩」とか「パリ・テキサス」あたりが有名だけど、それよりもっとヴェンダースらしい作品のような気がします。「アメリカの友人」とかが好きな人には向いているかも。もちろんリスボンの町並みもすてきなんだけど、オープニングからまさにロードムービーの雰囲気。マドレデウスの曲もすてきでした。「ことの次第」ほどマニアックではなく、もっとゆったりと楽しめる感じ。わざわざ単発で売られていたのも納得です。ただし、もちろん、スリリングなアクションとか盛り上がりとかはないです。
余談ですが、他の作品同様、なんだかいろいろと細かいところに細工がしてあるのに気がつきます。主人公が音響技師なので自分でマイクを持って歩いていますが、これがなにげない設定なんだけど、よく注意して聞いてみると面白いですヨ。エンドクレジットまで遊び心満点で、またいつものように繰り返し見てしまいました。
ゆっくり楽しんでくださいネ。
クラシックの殿堂
静かな曲、激しい曲、有名な曲、無名の曲、それぞれが何の脈絡もなく2枚のディスクに盛り込まれています。38曲も入っていれば当然知らない曲が幾つかあるので、添付された曲ごとの簡単な解説本が役に立ちます。
クラシック音楽の「よく聞く部分」だけを楽しみたい人には適していると思います。
目当ての曲を聴くために購入したら、別の曲が気に入る、というオムニバスのいいところを堪能できるはずです。
リスボン物語 (ユニバーサル・セレクション第3弾) 【初回生産限定】 [DVD]
超久しぶりのヴェンダース映画。
サントラは100回以上聞いてるけど
やっと観れた。
・・・・きつかった。
映画製作学んでる学生さんには
最適かも。
年とともに
こんなジャンルに耐性、情熱をさぐれない
自分がいと悲し。
7月24日通り
主人公は自分の理想と現実を行き来しているように感じます。
憧れの人への心の高揚、日常で出会った人との穏やかな関係。
ただ、自分にとって間違っているか、間違っていないか・・・
この本には、まず目次でやられました・・・
主人公の弟の彼女の自己分析なんですが、これってほとんど自分にあてはまります。私も恋愛、その他で間違えたくないって思ってしまいます。
そんなふうに思ったことのある方におすすめです。
あと、自分の実家に少し帰ってみたくなりました。