華日記―昭和生け花戦国史 (小学館文庫)
生け花を習っているときに、流派って何だろう?どう違うのか?という
疑問がわいてきて、その時に出会ったのがこの本です。
各流派の起源やいさかいなどを含めた関係、方向性、そして存続していく
利益づくりの試行錯誤などがわかります。
歴史の本ですが、花を中心とした人間ドラマですので、退屈しません。
戦後の焼け野原の中、食べるものもろくにない中で花を集め生けていく
流派の創始者たちの熱意には心打たれます。
西洋のフラワーアレンジメントを含め、日本において花に関わろうと
いう人には、読んでおいて損のない一冊です。
吉永小百合
主として、西條八十門下生の佐伯孝夫作詞、昭和23年シベリア抑留から生還した吉田正作曲の哀愁あふれる、名曲20曲厳選の吉永小百合さんベストアルバム。
伊達に「異国の丘」を戦地で歌っていたわけではない、故郷を思う人の生きようとする主意主体の意味が、足のつま先まで叩き込んできた暗黙知が吉田正を作曲に駆り立て、語るに語れぬ思いのかぎりを奏でる。
日活映画、吉永小百合主演「愛と死をみつめて」の主題歌「愛と死のテーマ」4分35秒収録。"二人ひとつの生命星(いのちぼし)"。台詞が入る。"ミコの分まで二倍も三倍も、さようなら、さようなら"。吉永小百合さんの思い入れも、ひときわ強く、聞く者に没入感を誘う。
ダウンタウンヒーローズ [DVD]
現在入手可能なDVDで旧制高校の青春を扱ったものとしては、一番の出来かと思います。
また、製作時期も適度に古い為に、その当時の時代の雰囲気がよく伝わってきました。
最近の日本であのような雰囲気の映画を作るのは正直難しいのではないかと思う。
「北辰斜めにさすところ」も見ましたが、登場人物の顔つきやちょっとした動作などもどこか不自然な感じがした。
しかし、これは演技の巧拙ともまた違う要素によるものではないかと思った。
これは単純に映画の舞台となった時代と映画の製作時期が離れすぎている事によるものと考えられます。
フジテレビ開局50周年記念DVD 熱帯夜
作品については、松田優作の、ということはもとより、テレビ界の巨匠・早坂暁氏の脚本作品とあって、当時放送を観ていなかったこともあり、なかば伝説と化している作品でした。DVDになりやっと観ることができます。というわけで作品の方は楽しみに観るとして、商品としての体裁についてです。まずパッケージ。あまりにそのデザインがカッコわるいです。外箱の窓がテレビ(もちろんブラウン管)になっていて・・・ってテレビ創生期の作品じゃないんだから・・・。また放映データや解説等の記載が皆無なのは不親切すぎる(各話のあらすじとキャストのみ記載)。フジテレビ50周年記念のリリースならこの作品が何年の作品で、というようなことは明らかにすべきではないか?現在からみた解説なども欲しいところ。次にディスクのメニューにも解説、キャスト紹介等の画面はなし。放送上の区切りによるチャプターがあるだけ(ま、これはそれで十分なんですが)。なーんか手抜きの商品のように思えるんですが・・・。
青春の門 [DVD]
北九州は今でも10人に1人はほにゃらら団かその関係の人だそうだ(ウソだろう、と思うかも知れないが、現地の人が言うところによれば、そういうことになるらしい)。
その風土はいかに作られたか。というのがこの映画を見ればわかる(五木寛之の原作読んだ方がいいんだろうが、面倒くさいし2時間半で済むから映画の方がてっとり早い)。
なぜほにゃらら団に朝鮮人が多いのか、ということもこの映画を見ればわかるだろう。早世した故・浦山桐郎監督の夫人は在日の人なのだそうである。だから「本筋からはやや浮きすぎている」と感じられるほど、河原崎長一郎が演じる朝鮮人と吉永小百合の心の交流が描き込まれているが、それは間違いなく浦山の拘りなのだろう。
それにしても、尾崎士郎の「人生劇場」といい、なぜ彼らは早稲田大学を目指すのか?(そもそも「青春の門」は「人生劇場」へのオマージュなんだろうけど。総理大臣からほにゃらら団までというのが早稲田らしいが)。
あと、この映画の特筆すべきは真鍋理一郎の音楽だろう。「日本の夜と霧」ぐらいしか思い浮かぶ代表作品がないが、このスコアは何度聞いても素晴らしい。