燦然と神秘のガムラン
アーティスト名が正しく紹介されていないが、バリ島ガムラン音楽の実力派集団、ヤマ・サリの96年の初来日にあわせて発売された記念すべきデビューアルバム。
ガムランの聖地として名高いプリアタンの名手ばかりが参加したというだけあって、演奏のクオリティは文句なし。力強いのに軽快でテンポのいい演奏をしている。バリでの現地録音ということで、環境音(虫の鳴声)も聴こえてきて、臨場感も満点。
本当は星5つなのだが、2作目の「衝撃と絢爛のスーパーガムラン」があまりにも素晴らしいのであえて星4つ。2作目では楽器を変えたらしく、全く違う雰囲気の演奏をしているので、両方聴くことをお勧めする。
大坂城―天下人二人の武略燦然 (歴史群像・名城シリーズ)
大坂城と言えばやはり、今やほとんど痕跡のない豊臣期大坂城がどうであったか、という視点が最も重要。本作品は、故宮上博士渾身の力作で、天守閣の他、本丸御殿など、豊臣大坂城の可能な限り、ベストな推定がなされており、大坂城研究の分野においては金字塔的な力作。
CGがない時代、よくここまで精緻に作業を行えたものです。
現昭和大阪城天守閣に陳列してある豊臣時代大坂城復元ひながたは、本作品で紹介されている復元図に基づくものです。
古式望楼型のクラシックビューティともいうべき、シックで美しい大坂城の世界観を堪能できます。広島大の三浦教授著作と並び、共に大坂城理解には是非お奨めしたい作品です。
フタリノワタシ
インディーズや同人音楽としては結構な作品をリリースしているが、メジャー作品としては殆どリリースする事のないLOVE SOLFEGEの初のメジャー作品。
とても聴きやすく美旋律が弾ける高揚感あるメルヘンムードのクラシカル・シンフォニックにピアノジャズ、プログレ調、J-POP、様々なジャンル音楽を上手く溶け合わせ、美しさに時には童心的、時には格好良さを決め込みとても安定したサウンドを展開している。
サウンドスタイル的にクサみがあるがアニメソング調とはまた違ったクサみを持ち、それは聴き手によってアニソン好きでも一般音楽を好む人にもこのサウンドを受け入れられる筈だ。
良く言うなれば音楽好きにこそ聴いてもらいたい作品だろう。
今作は彼等の同人時代の作品ほどLOVE SOLFEGEの個性が全て詰め込まれてはいる訳ではないが、差し引いてもこれは聴く価値が充分にある良作だ。
Luminous Halo(ルミナス・ヘイロー)〜燦然と輝く光彩〜
オリジナルアルバムという事での前作、eveninng glow は、個人的には畠山さんのソロで発揮されている表現力がPONでも際立った反面、初期のponの持っていた「味」が控えめになったように感じました。
今回はジェシーハリスのプロデュースという事で、Summer Clouds, Summer Rainに近いテイストになるのかと思いましたが、畠山さんの表現力も深まり、且つPONを初めて聴いた時の新鮮さも蘇るという、PONとしてとても完成度の高い一枚のように感じました。
参加アーティストもジェシーハリス絡みの一流どころだそうです。
暖かい飲み物を飲んで涙腺が緩むような、ほっとした感覚が味わえる、質の高い、大人の一枚だと思います。
徹底図解 零戦のしくみ―日本航空史に燦然と輝く名機の栄光と悲しき末期
零式艦上戦闘機の本は、既に世の中にたくさんある。この本の特徴は、まず印刷が良くてカラーできれいだということ。特にゼロ戦の情報に不足を感じているわけではないにもかかわらず、つい衝動で買ってしまった。
近年の世界の航空ショーでの雄姿、構造などを説明した豊富なイラスト、型式による違い、日本軍の各種飛行機や戦時中の白黒写真、空戦方法や戦場での活躍。栄エンジンを積んだよりスマートな形の数少ない復元機が飛んでいる様子を納めた写真や、国内で保存されている零戦の一覧もある。
また、工学的な部分の解説を丁寧に行っているのも良い。エンジン、コックピット、照準器、キャブレータ、過給器、武装、骨格、燃料、材質、離着陸、塗装、荷重特性、構造上からくる強みと弱点、といったような点である。また、隼や紫電改との違い、2つの年代に分けた各国の主力戦闘機との仕様といった比較ではカラーのグラフを多用してあり、ひと目で差異が理解できる。
戦闘機の歴史、開発の経緯、日本海軍の空母、パイロットの育成、編隊、組織、量産体制、整備、撃墜王たちについても書かれてある。さらに、各ページの欄外には、豆知識が掲載されている。
見やすくてイラストが美しいだけでなく、全体的に内容も予想よりは充実していた。