西遊記 DVD-BOX II
やっとBOX-2が出ましたね。今1日1話という感じでじっくり見ています。何度も再放送されていたそうですが不思議と私はそれに巡り会うこと適わず、DVD化によって30年近い歳月を経て再視聴しました。ストーリーのどこかに必ず「愛情」や「慈悲」を訴える場面があり、あからさまな勧善懲悪ものでは無い所が魅力です。しかも余り説教臭くなく、夏目雅子に諭されると「済みません、その通りです」と思ってしまいます。出演陣も考えられない程豪華。みんなもの凄いメイクですが、京劇のイメージなのか妖怪になりきってやっているのが役者魂ですね。泉じゅんや緑魔子が出ているのも驚きましたが、何と言っても西田敏行の本来の魅力がみなぎっています。『バケタン家族』や「5/8チップス」CM等で発揮した軽妙で面白おかしいキャラが炸裂。そして『池中玄太80キロ』を経て彼は国民的俳優へとステップを踏んでいったのです。
一番覚えていたのはエンディングの“ガンダーラ”と中国西域の景観・文化財です。実際に中国ロケを敢行したという謳い文句の重要性は今ではピンと来ないと思いますが、実は番組開始は日中平和友好条約の締結と同年なのです。長年正式な国交がなかった中国が身近な存在になったことを象徴するドラマでもあったのです(当時烏龍茶なんて誰も知らなかったんですよ)。まさに異境の地を旅する三蔵一行。この番組が中国文化への共感に寄与した功績は計り知れないと思うのです。
国同士行き来がし易くなって随分経つというのに、今なぜかかえって互いに反目する所があるのは悲しいことです。夏目三蔵がこう諭すのが聞こえてくるようです。「人間も妖怪も、善人も悪人も、仏の前では同じです。そして民族や文化の違いもまた仏の前では同じです。どうしてお互いに手を結びあうことが出来ないのですか。」それが可能になるという気運に満ちた時代のこの名作を是非ご覧下さい。そして日中の友好を祈念しています。
西遊記 DVD-BOX 1
一部キャストがゴネてるだの、権利関係がクリアできないなど
憶測が飛び交うなか、突然発売された西遊記ドラマの決定版が登場!。
三蔵=女性キャスト、サルXブタの掛け合い漫才、
関西弁のカッパ、出演者、音楽、脚本、どれをとっても
完璧すぎて後に続くものがこれを越えられない・・・。
一番感動したのは、本放送以来再見の叶わなかった新番組予告編。
よくぞ残っていたものだ。欲を言えば各話の予告編も
「巻末にまとめて」収録ではなく各話数ごとにつけていただきたかった。
映像特典の座談会。さすが老けたなぁとは思いますが、
これだけの大御所が一同に会して当時を語るなんて
今後あるかどうか。つくづくお師匠さんのご不在が惜しまれます。
各地での再放送も多い本作ですが、
やはりファンはDVDBOX,持っておきたいよね。アニキ。
二百三高地 [DVD]
私は、年齢的にも全く戦争など知らない者ですが、この作品は非常に感動しました。
外国映画のように戦争の美化もしておらず、ヒーローも居らず、また反戦でもない作品なのかもしれません。
戦争の中にいる、日本人、そのものがテーマのような気がしました。
こういう日本があったこと。多少美化されていたとはいえこういう日本人が居たということ。
人間の質が下がりっぱなしの日本人が、こういう事実を認識するべきではないかと、強く思いました。
役者も演技も素晴らしく、今の日本ではもう撮れない映画なのかもしれません。
いねむり先生
女優だった妻を亡くし、絶望の淵に立たされた主人公が
作家であり、エッセイストである色川武大氏と出会うことで
再生をしていくという自伝的小説です。
奇しくも、仙台で震災に遭われた伊集院さんが、
このタイミングで「絶望からの再生」「人は人によって救われるのだ」
という優しくも力強いテーマの小説を出版されることに、
なにか不思議な力を感じざるをえません。
今の日本人に必要な一冊だと思います。