だからここに来た!-全日本フォーク・ジャンボリーの記録- [DVD]
過去に何度かこの作品の部分的な流出映像?を目にしたことはあるものの、40年余を経て公開された全体像に改めて感激しました。何より20代の浅川マキさんの作為的でない素の姿を拝めただけでも大満足!はっぴいえんどを従えた岡林信康はNewport Folk Festivalでエレキに持ち替えて"Maggie's Farm"を歌った時のBob Dylanさながらだし、加川良の“教訓”をバックに女性が湖で泳ぐシーンは何となくWoodstockの1コマを彷彿させて笑えます。当時高校1年生の小僧だった私はこの年からギターを弾き始め、文化祭で“私たちの望むものは”を絶叫したのを思い出してしまいました(笑)。思えばこの頃は日本のフォークが丁度過渡期を迎えていたようで、翌71〜72年に掛けて“政治的なメッセージ性の強いもの”から“私生活を歌ったもの”中心へと移り変わって行ったのを今でも何となく覚えています。最後に文句をひとつ!特典映像のDisk2はあまりにも内容がお粗末なので、いっそ特典なしで値段を下げて頂いた方が余程嬉しいのですが…。
タカダワタル的 memorial edition [DVD]
~渡サンのCDを初めて聴いたのが13年程前。『ごあいさつ』。それからず~っと聴いてきた。いつか生で観れればなぁ~、なんて思った。
この映画のコトを知った。今度は、その映画を『いつか観に行ければ良いなぁ~』と思った。
今年の四月、渡サンが亡くなった。映画も結局観に行けなかった。昨日、このDVDが届いた。観ていたらなんだか涙が出てきた。
これは、~~ホントにお薦め。多くの人に見て欲しい。
柄本明サンの『渡サンみたいにやれれば良いんだけどね・・・』って言葉、ホントそう思う。
結局、そう思いながらせいぜいウーロンハイを飲むぐらいしか出来ないんですね、凡人には。~
高田渡読本 (CDジャーナルムック)
高田渡さんが亡くなって、はや2年経ちました。彼の仲間や友達が高田渡を語っています。高田渡の人生観を、彼の友人や仲間に教えてもらった気がします。高田渡さんの全てはわからないかもしれませんけど、彼を少し知った気になります。
CDガイドの高田渡の音盤は出色です。当時の音楽雑誌に載った記事も出ていてお勧めです。
はっぴいえんどBOX (CD-EXTRA仕様)
2004年に発売された、はっぴいえんどの集大成的な内容のボックスセット。
特筆すべき点として、1985年の再結成ライヴアルバム「THE HAPPY END」が初めて復刻された事が挙げられる。
が、この復刻では「花いちもんめ」後のMCがバッサリなくなっている。
また、「全ての音源を収録」という告知だったものの、既発ライヴテイクが何曲も未収という欠点も。
しかし、この豪華なボックスセットを持っていればはっぴいえんどを聴きたい時にササッと聴けるので、興味のあるかたは買えるうちに買いましょう。
特にディスク5は再発される様子はないのですから。
バーボン・ストリート・ブルース (ちくま文庫)
映画『タカダワタル的ゼロ』が公開されることを記念してか、高田渡さんの語りおろしの自伝が文庫化されました。高田さんの人生が自分の言葉で残されたというのは本当によかったな、と思います。
高田さんの父親は大学出ながら共産党員の日雇い労働者。母親は子どもの頃になくし、東京で極貧生活を送りますが、その中での生活者の明るさみたいなものを感じながら育ちます。中学卒業後、日共の赤旗を印刷するあかつき印刷に就職し、文選工となります。その後、紆余曲折を経てフォークシンガーとして生きていくわけです。改めていいと思ったのは、高田さんの詩に対する考え方と写真。高田さんは『ごあいさつ』あたりから現代詩に曲をつけることが多くなったのですが、それは《現代詩をいろいろ読んでいたなかで、日常の風景を語りながらも静かに問題提起をしているという詩に多く出会ったからだ》《僕は、ほんとうの詩というものは、「最後に出さざるを得ない、厳選された一句」だと思う》ということで《普通の人々の日常を歌った現代詩に魅かれ、それに自分で曲をつけるというやり方をとってきた》というんですな(p.128-)。そして6*6からはじまりニコマートを愛用したモノクロ写真は素晴らしい。貸し暗室で現像までやっていたという腕前は確かです。201頁の玉子屋の写真の光なんかすごい。