海洋大図鑑-OCEAN- (DKブックシリーズ)
書店で見て、重さと値段で躊躇しましたが、結果的には大満足のないようでした。海の写真集は何冊か持っているので、見たことある写真もあるけど、海外のカメラマンが撮影した写真がたくさん載っているので、けっこう新鮮な気分で見られました。解説は少し難しいところもあるけど、問題なく読めるレベルかと。一番気に入ったのは白くまが水中でカメラ目線の写真。○○動物園かと思いました。深海魚もけっこうたくさん載っているので、それもよかったです。
カブトエビのすべて―生きている化石“トリオップス”
本書はカブトエビの生態や解剖学的な形態など、今までに知られているカブトエビに関する学術的研究の成果をまとめたものである。“みんなもカブトエビを飼ってみよう”というような軽いノリの本ではないのでご注意。
9章もあるわりにはページ数は100ページ程度であり、写真もすべて白黒写真である。アメリカカブトエビ、アジアカブトエビ、および、ヨーロッパカブトエビの形態や生殖方法の違いなど本当に学術的な事柄を期待して読むのでなければやや物足りない気がするであろう。
カブトガニの不思議―「生きている化石」は警告する (岩波新書)
以前、岡山の笠岡にあるカブトガニ博物館を訪れたことがある。これほど奇妙な生き物はいないと驚いたものだった。本書はカブトガニの生態を詳述したもので、環境の変化に極端に弱い理由などにも触れられており、満足できた。
カブトガニは4億年も昔から生きている古代生物であり、日本では瀬戸内~北九州にかけてわずかに分布している。しかし近年の海洋開発・汚染によって数が激減し、絶滅が危惧されている。というのも、カブトガニは海浜の特殊な環境に高度に適応した生物なのである。それが数億年のもの間ほとんど姿を変えずに生き延びられた理由なのだが、裏を返せば、環境の変化に弱いということにもなる。そのあたりの仕組みを様々な角度から教えてくれるのが本書である。
しかし日本では絶滅に瀕しているカブトガニも、アメリカ東海岸には多数が残っているという。このあたりの違いは一体なぜなのだろうか。