Ramones (Dlx)
大方の初期NY勢が感情を露に表現した情緒派なのに比べ、わりかし観念的なのがこのラモーンズ。そこが音のクールな感触にも繋がるトコ。バンドの頭=元画家ジョーイのアメリカ・ナショナリズムとその自己批評にコンセプトの肝がある。このデビュー作はそれがあまり鼻につかずガッツのある音楽に昇華されていた。パンク・ロックのイメージだけでみていてはこのバンドは解らない。脳天気さにゾっとしてほしい。
ダンシング・ハバナ [DVD]
劇場公開時は単館上映だった為、満席ですごすご引き返した記憶があります;何と言っても「天国の口、終わりの楽園」のディエゴ・ルナ、順調に成長を続けて終に主演映画!(でもエンドクレジットの名の位置が変だった、あれは何故??)
ダンス映画と言えば中学生ぐらいの頃に見た「ダンシングヒーロー」が強く心に残っているのですが、この作品はそれを上回る強烈な印象を残しました。アメリカから来た良家のお嬢さんケイティ、誇りあるキューバ人ハビエル、二人が出会ってやがてハビエルの困窮を救う名目でダンスコンテストに出場する事に・・しかし、時はキューバ革命勃発間近で・・。
二人の現実的なラブシーンが最小限なのが好感度大です。(50年代という事もあり、ケイティも保守的。)ダンスを通して恋愛というか、言葉では表現出来ないそれ以上の何かを感じ合ってる事が伝わってくるので充分。ケイティは超美人ではないけれど愛嬌があって可愛いし、何よりどんどんダンスとハビエルに魅せられていく様子が等身大で好感が持てる。ハビエルは、役者さん「こんなに踊れたの?」と思うぐらい素敵に愉しそうに踊る。こんな二人が海でキューバダンスの由来を話すシーンがお気に入りです、元々は奴隷のダンスだった、と。踊る時だけ体で自由を感じられる。
成りたい自分になる事が出来るのがダンスだ・・・と。
二人はラスト、成りたい自分の姿を確信する事が出来たのだろう。政治も人種も、踊るという侵しがたい自由をどうこうする事なんて出来ない。。。ディエゴの優しい眼差しとケイティのラストの言葉、情熱的なダンスが続くエンドロールを食い入るように見つめ、見終わった時は踊り出したくなるぐらい心が弾みますし、すーっと胸がすくような爽快感で一杯です。きっと何回も繰り返しみてしまう事と思います。
ちなみにキューバ人役同士はスペイン語でしゃべっていますよ、ぜひ字幕も見てみて下さい。
BLACKMAGIC (BWOOD041CD)
今回のJOSE JAMESの新譜にはとても期待をしていたんだけれど、本当に期待以上の一枚だった。
前作は生音にスモーキーで艶めかしいホセの歌声が絡み、普遍的な極上の音を聞かせてくれた。
そして今回の2nd。
これは、「前作の延長線上にはない一枚」だ。
前作の生音とは打って変わって、
旬なビートメーカー達が繰り出す都会的な音に
変わらずソウルフルなホセの歌声が相まって
とても心地よい一枚に仕上がっている。
全曲素晴らしいけれど、
DJ Mitsu The Beatsとの「PROMISE IN LOVE」
Flying Lotusとの「BLACKMAGIC」
Jordana de LovelyとのDuet「LOVE CONVERSATION」
辺りが個人的にはとても好き。
ハバナ
内容はいまいちなのですが、全体的な映像がとにかくきれいでおしゃれ。ハバナってこんなにいいところ?と思いました。レッドフォードのカッコよさが全てをひきたてているのかもしれません。ギャンブラーも似合っていました。いい気分で見られる映画です。
Havana Style (Icons)
日本人にとっていろんな意味で遠い国、TVが作ったキューバはアメリカのクラッシックカーが走り回る革命の国。赤い星の国。熱い国。しかしこの本から伝わるのは南国の暑さではなく、室内の床に張られたひんやりしたタイルの温度だ。この国の情熱的な指導者が国民に与えようとした理想郷とはこの静かなる廃墟だったのか。しかもそんな刹那的情景に大国の富める時代の遺物が散在している。まるでそう遠くない未来の私たちの国の様、肥大した夢の抜け殻