抱擁、あるいはライスには塩を
トーマス・マンの『ブッデンブローク家の人びと』か
日本で云えば北杜夫の『楡家の人びと』に代表される
西欧近代小説/本格小説的なスタイルを採った、
「家」が主人公の、三代にわたる家族記。
登場する柳島家は典型的な大正モダン一家であるが
舞台を現代に設定しているだけに、彼らのライフスタイル、また
その考え方が極めて風変わりな一家に描かれている。
しかしそれがグロテスクなスラップスティックに陥らないのは、
章毎に語り手を変え、著者独特の精緻繊細な感情表現によって
一家の一人一人の輪郭を読者の頭の中に、鮮やかに
浮かび上がらせているからであろう。
時代や血族、世界といった大きな物語と、著者が得意とする、
身の回り3メートルの飴細工のような小さな世界とが、
本書に於いては見事に融合し、幸せな物語を紡いでいる。
私は著者の偉大な一歩であると感じるが、どうだろうか?
Twinkle Twinkle
あまりにも有名な、江国香織の小説「きらきらひかる」の英語版。
透明感のある彼女の文体が、英語でどのように翻訳されているのか
読んでみる価値は絶対にあり。
ただ・・・表紙(カバーを取るとますます)がちょっと・・・
あまりにもストーリーに合っていなくてビックリ。
もう少しなんとかならなかったのかなァ(苦笑)その点で
星ひとつ欠いて4つの評価。
恋ノチカラ4巻セット [DVD]
見てる時に、籐子(深津ちゃん)の切な過ぎる台詞に つい泣けてきてしまったのは私だけかな?深津ちゃんの演技が素晴らし過ぎるのかわかりませんが、何だか自然に泣けてしまいました。だからと言ってずっとそんな泣ける場面ではなく、自然に笑ってしまう場面もあってホント買ってよかったなぁと思いました。ドラマのDVDを買うことなんてないけどこれは、買う価値があったとつくづく思います。ただのベタベタの恋愛ドラマじゃなくて、見終わった後に 何だかいろいろ仕事か恋愛とかについて考えるようになりました。ドラマの影響じゃなく見たら考えてしまう・・・そして「頑張ろ!」って思えてきました。
Un ~piano relaxing~
ホントによく車の中で聞いていましたし、お気に入りの1枚として最近購入しました。
曲の使われていたドラマのシーンを思い出したり、窓から見える木々の緑や夕暮れの町並み、いつも眺める景色をグンと色濃く感じたりしました。やさしいピアノのメロディーが「砂地にしみ込むようにすっと」入ってきます。
きらきらひかる [DVD]
浅野温子の「沙粧妙子・最後の事件」95年、木村拓哉の「ギフト」97年、
それらを経て、この「きらきらひかる」までの流れが出来た。同スタッフによる
人間ドラマの集大成が一応このドラマで完結?のようにも思えた。
当初、別の主演女優で全く違うテーマのドラマ企画が進んでいて、それが没になり
急遽「きらきらひかる」の企画案が出たと、当時のテレビ雑誌でプロデューサーが
言われてたおぼえがある。日テレの「俺たちは天使だ!」の経緯と似てやしないか。
それでいて、本作も何時見ても色褪せない秀作になったのは凄い!
6話、ともさかりえゲスト回、フグ毒の内容はせつなくていい話。BJトーマスの歌は
哀愁漂う。メインの4大女優の演技はDVD化でも光ることだろう。