シャネル&ストラヴィンスキー [DVD]
この年はシャネルの生誕125周年を記念して、他にも「ココ・シャネル」「ココ・アヴァン・シャネル」が製作されました。単純にストーリーが面白く、シャネルの略歴がさらっと学べるのが前者なら、後者は一人の女としてのシャネルを掘り下げた作品と言うべきでしょうか(但し、どちらも飽くまで映画であって、シャネルを知るためのテキストでもドキュメンタリーでもないので、真実はああだこうだという類ではありません)。 この2作品と比べると本作はシャネルの持つスタイル、即ちイメージ(映像化)に重きを置いているように思われます。「ココ・アヴァン〜」のオドレイ・トトゥもシャネルのイメージキャラクターを務めてますが、本作のアナ・ムグラリスはシャネルのミューズ(カール・ラガーフェルドの尽力も比較になりません…)。ストーリーは非常にたわいないもので、香水No.5誕生の件も、ストラヴィンスキーの「春の祭典」の失敗&再演云々の件もエピソード程度に盛り込まれているだけです。ですので、シャネルやストラヴィンスキーの伝記的要素を期待している方には物足りないでしょう。二人の接触・関係については事実と多少異なるそうですから、そういった点にこだわる方にも不満かも知れません。しかし、音楽と映像が混ざり合い、静かに静かに流れていくさまは本当に美しく、映画の持つ本来の醍醐味を味わわせてくれます。何とはなしに、ただぼうっと美しい映像に浸りたい…そんな時に最適の映画。是非大画面で観て頂きたい作品です。
「のだめオーケストラ」LIVE!
これに一流の演奏を求めなければ問題ありません。
テレビのサントラCDとしてなら、上出来ですし
作品が好きで買うのなら満足できると思います。
また、アレンジは新しい気持ちで楽しく聴けるものポイントかも。
☆−1としては、もうちょっと安ければうれしかった…
ということで。
Stravinsky: The Firebird: Original 1910 Version (Dover Miniature Scores)
ストラヴィンスキーのスコアが、この価格で買えるのは魅力です。
ストラヴィンスキーは、1971年に亡くなっているので、著作権が切れるのは当分先です。従って、日本版が出版される可能性は当分なく、輸入版に頼らざるを得ませんが、そのときに頼りになるのがこのDOVER版です。
この価格は、日本版が出たとしても、それ以上に安いと思います。楽器店の店頭に並んでいる輸入版(DOVER版も含めて)は、何故あんなに高いのでしょうか? この輸入版スコアは、最大のお買い得商品だと思います。
レナード・バーンスタイン/若者のすべて-究極のハーモニーを求めて [DVD]
春の祭典は演奏する側にとって、大変難しい曲であるが、小澤征爾の構成感のある、それでいて感情があふれんばかりの、熱い演奏が聞ける一枚である。小澤征爾の指揮もたっぷり見ることができ、その繊細さと的確さに、非常に心打たれるものがある。是非、おすすめしたい。
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 他
若き天才ヒラリー・ハーンは、ブラームスの第3楽章を心軽やかにスキップでもしそうな快活な上機嫌さで一気に弾き切っています。コンチェルト全体のバランスを考えれば、この軽やかさこそ、ここで作曲家が求めたものだったのだという説得力があると思いました。従来の主流だった「白熱的」な演奏は、解釈というよりも、ここに仕掛けられた残酷なまでの重音のハードルに対する演奏者の技術的な余裕の無さ、そのための必死さだったのではないか、という気さえして来てしまいます。それほど、ここでのハーンの弾きぶりは卓越していると感じます。楽曲に対するイメージを一変させる力を秘めた見事な演奏だと思います。