少年時代 [DVD]
齢を重ねて、ふと立ち止まり来た道を振り返ったとき、少年時代が夏の陽射しの中に見つけられることができれば、どれ程励まされるでしょう。
疎開という特殊な時代での出来事として描いたものではないと捉えました。
全体主義、軍国主義の時代にあっても、今のような民主主義、成果主義、IT時代であっても少年には少年だけの世界があります。
大人になる前の時間。サル山のボス争いにも似た教室のルールがあり、遊んだ路地のルールがありました。
そんな時間を思い出させてくれる素晴らしい作品です。
篠田監督は、少年群像を撮るのが抜群に上手いと思います。
少年達の純粋で残酷な面を逃しません。
そして、この映画は、ラストシーンが忘れられない名画ですね。
井上揚水さんの歌が始まり、青空に白い雲が広がり、二人の小学5年生が手を振り合っています。
お互いの少年時代に別れを告げているようです。
こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)
そうそうたるメンバーとの対談集。それぞれの分野で極めた大先輩ばかりですが、人生や仕事に対する真剣さ・真摯さが伝わってきて、気合いが入ってきます。よし、やるぞ!という気持ちが湧いてきます。くよくよしそうになる時に読んでいます。気分爽快になります。
異人たちとの夏 [DVD]
約20年前頃、当時私は中学生で、テレビで見たのが最初で、あまりに泣けた感動作だったので、ビデオに撮ってずっと大人になるまで繰り返し見ていました。子供心にも、風間杜夫がすきやき屋のところで涙ぐみながら両親に、「行かないで」「ありがとうございました」と言うシーンには、何度見てもグッと来て涙が出ました。本来、親子とか、恋人とか、友達とかって、こんな風にあったかく接していく存在なはずなのに、現代人は疲れていて、愛情を人に与えることを惜しむことが当たり前になっていますよね。悲しいことですけど。でも、自分だけでも大事な人はこんなふうに温かく接してあげたいと、昔からこの映画のおかげでずっと思っていました。人間関係に疲れた時に見たり、家族、恋人、友達に見せてあげたら、きっとその人の心は癒され和むこと間違いないと思いますよ。癒しに大変おすすめです。私はビデオもDVDも持っていますが、この度文庫本も購入したので、やっと名取裕子の最後の消え方の意味がすっきり分かりました。原田(風間)の心がケイ(名取)から離れていったから、ケイは原田を道連れにできず、消えていくしかなかったそうです。でも個人的には、ケイも原田を本当に好きだったのだろうなと思います。片岡鶴太郎、秋吉久美子、風間杜夫は最高の俳優だと実感した作品です。
「できる人」の極意!
著者は多数のハウトゥ本を書いているが、この本はその種の本とは一線を画する。ビジネス上の技術や、勉強方法、呼吸法等も載っているが、なにより単純な読み物としておもしろかった。多数掲載されている対談が出色である。斎藤先生がなぜ、あまたの本を執筆するに至ったか、そこに至る苦労話も興味深い。斎藤先生おすすめの本も多数掲載されていて興味深かった。国語の先生や、小さい子供を持つ親御さんにも是非読んで欲しいと思う。
雪と氷の旋律
クリスマス・ソングを中心に、静かで秘めやかな「冬」のたたずまいを織り上げたアルバム。最初期のアルバム『ケルツ』(日本盤では『アイルランドの風』)の世界に立ち返ったような神秘的な透明感、ピュアな音楽の雰囲気を感じました。
3年ぶりのアルバムになりますが、エンヤの音楽、相変わらず素敵ですね。すっと耳に馴染む音楽の親密感、静かに心を満たしてくれる音楽の情感は、やっぱりこの人ならでは。魅力的だなあと。
印象に残ったのは、「ウィンター・レイン」「マイ! マイ! タイム・フライズ!」の二曲。手拍子を使うなど、パーカッシヴな曲のリズム感が面白かった「ウィンター・レイン」。エンヤ、ビートルズに会う、とでもいった趣の、ビートルズ・ナンバーをアレンジした「マイ! マイ! タイム・フライズ!」。どちらも、エンヤの王道(正統的路線とでも言うか)から外れたみたいな異色の風味があって、そこが逆に新鮮で楽しめました。