モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]
この映画で描かれてるのは、革命指導者のゲバラじゃないんだよね。
代わりに描かれてるのは、まだ若干23歳のエルネスト。
重度の喘息持ち(ホントに苦しそう)で、
でもラグビーとサッカーが大好きで、
医学部の卒業試験を終えて、
壮大な冒険に情熱を燃やす、
フーセル(激しい奴)とあだ名された若者なんだわ。
もちろんこの道中が、彼の人生に大きな影響を与えたのは事実なんだけど、この映画はそういった「後」の出来事にはほとんど言及してません。現にキューバ革命の下りは、最後に数行の字幕で紹介されるだけです。
作品の視点は、あくまで現在進行形。だだっ広い南米大陸をバイク一台で駆け抜ける二人の漢の生き様、そして見知らぬ世界との邂逅がもたらす魂の目覚めが、この映画の全てです。
チェ・ゲバラ、何故彼が今なお多くの人に愛され続けているのか、この映画を見るとちょっと解る気がします。
反米大陸―中南米がアメリカにつきつけるNO! (集英社新書 420D)
中南米の様々な国々とアメリカ合衆国との苦難の歴史をたどり、今まさに羽ばたこうとする熱い国々の実像に迫る良書です。
ブッシュを「悪魔」と呼んだベネズエラのチャベス大統領や、アメリカと対立して「薬としてのコカ栽培を守る」と主張するボリビアのモラレス大統領は、日本においては「反米」という西側のフィルターを通じて報道されがちですが、彼らが登場する背景には、中南米の長い長い苦難の歴史とアメリカによる抑圧、そしてそれらを跳ね返して立ち上がった人々の戦いがあったのだ!ということがわかります。
かつて「アメリカの裏庭」とまで言われ、不当な干渉にさらされながら、ついにうねりとなって中南米を覆う「反米」の波。それはイデオロギーでも、教条主義でもないのです。
……ところでなんでこの本、朝日新書でも岩波新書でもなく集英社新書からでたんでしょ?
新訳 ゲリラ戦争―キューバ革命軍の戦略・戦術 (中公文庫)
ゲバラの本ははじめて。シンプルで表現力富む文体に、魅了された。理論書のはずなのに、すごい臨場感。実戦から革命の成就を経て、キューバ革命政府の政務の合間に記された本書は、フェルナンド・ロペスの挿絵の力も借りて、ゲリラ戦さなかの森林にいるような気分にさせられる。
「厳正な自己規制」「克己心」をゲリラ戦士に求め、「心底からテロリズムを否定する」ゲバラの高貴で戦術的な精神が、戦場での実体験に受肉したうえで、生き生きした理論に昇華している。経験や実体験から「理論」を引き剥がせないくらい、それは一体化している。「ヒット・エンド・ラン」、「敵こそが武器弾薬の供給源であることを絶対に忘れてはならない」といった戦術・戦略論、組織運営について、またモロトフ・カクテル(火炎瓶)での戦闘、対戦車用の落とし罠の詳述もいい。だが本書の根っこには、長く厳しいゲリラ戦を生きぬくための、生活マニュアルとしての生気が脈打っている。いや、それらはここでは、別ものではないのだ。靴が重要。武器と靴とが大事だと、ゲバラは何度も言及。「眠る時にも敵の奇襲に備えて靴を脱がない方がよい(…)靴は貴重品である。靴一足を持つ者は(…)うまく生きのびる保障を持つ」。靴がないと一歩も踏み出せないのだな、ほんとに。
「ゲリラ戦士のハンモックには、それぞれの兵士特有の体臭が移ることで知られている」、「砂糖は塩と同じく必需品であり、これのない生活は全くの難行である」「食事は日常における唯一のイベントであるので(…)配給量を正確に計り、少しの不公平もあってはならない」など。山野を駆けめぐり、どしゃぶりの雨でびしょ濡れになった若者たちの息づかい、笑い、気だるさがふっと伝わってくる。彼らが若いのか、時代が若いのか、よく分からない。革命成就の高揚感のせいかもしれないが、このエネルギーは何なのか。ゲバラいわく、「戦闘員生活の枠内で、最も興味深い出来事は―つまり、歓喜の絶頂を全員にもたらし、新しい力を吹き込むものは―戦闘である」。非暴力闘争の先の最終手段としての戦闘、その生の力に触れられる。
COIEDA
映像作品は、アート・ファッションスペースで目に映るくらいでした。
お金を出してみたのは、初めてです。
変わるので、絵画よりも眺めていられて、音があるので、目を向けなくても楽しめます。
只なんとなく、流しておきます。
girlsの青色とauraの黄色が好きです。
world is so beautifulを買おうと思っています。
cdは、まだ聞いていません。