ドラゴンファイト [DVD]
若き日の李連杰の秀作。約10年後に彼が本格的にハリウッド進出することを考えると、さらに感慨深いものがあります。
ジャケットは李連杰オンリーですが、実は周星馳との共演作。21世紀の香港二大明星、幻の共演です。
劇中でリンチェイは中国武術界のスター、周星馳はアメリカの叔父さんの店で働く青年でリンチェイのファンという役。リンチェイの正義感あふれる青年と、ちゃらんぽらんなシンチーのコンビは観ていてとても楽しく、ほほえましいもの。なかなかイケてます。
李連杰の表演とストリート・アクションの両方が堪能できます。ディック・ウェイの武術指導のもと、背の高いアメリカ人相手に棍術を華麗にきめるリンチェイ!必見です。
またシンチーは、役はちゃらんぽらんながら、マフィアの麻薬売買にしだいに巻き込まれていく過程の葛藤や悲哀を見事に演じていて、さすが!彼の英語が聞けるのも貴重。
そしてドラマは壮絶なラストへ・・・李連杰ファンも、周星馳ファンも、両方のファンならひと粒で二度おいしい一本ですよ!
それにしても、ほぼ同い年の二人、舞台裏でどんな夢を語り合ってたんでしょうね。
M [DVD]
美元。一見した派手さはない。が、こういう女性がきっと男を狂わせるんだろうな〜と関心しきり。
根は優しそうなヤクザトモロヲとの関わりが面白い。結構二人は深い繋がりあるんじゃね?と前半から思わせる。トモロヲも一生懸命ヤクザしてるが、ヤクザではなくベッドヤクザにしか見えない変な微笑ましさがある。そういうプレイにしか見えなかったのが難点か。
Mという表題だが、登場人物の誰が味わっている被加虐嗜好なんだろうか。様々な見方ができる味わい深い作品である。単にエロ目的でも十分面白い作品ですが。
女性上位で一生懸命に腰を動かす美元。タクシーのなかでオイタしながら身を攀じる美元。可愛いな〜と思うシーンが沢山ありましたよ。スタイルは本当に見事。それだけでも見る価値あり。眼福とはこのこと。
不夜城 [DVD]
約10年ぐらい昔の映画になりますが、
『昔一回だけ見た事がある』もしくは
『まだ見た事がない』
とゆー方には絶対にお勧めの映画です!
オープニングの長回しから始まるあの出だしは
なんとも言えません!
裏社会をリアルに再現したような臨場感があります!!
当時 金城武も山本未来も
25歳だとは思えないくらいの
哀愁感と色気と
ひと言ひと言の重さ……
首都高ドライブのJAZZ曲とのマッチ!
最後のBZの〆!
傑作です
9・11倶楽部 (文春文庫)
作風から見ると異色作だが、作者の頭の中の「ヤワな日本人<-->逞しい在日アジア人」と言う構図は生きている。主人公は救命士の織田と親に捨てられた不法滞在の孤児達のグループ。織田が孤児達に寄せる信じ難い善意を釈明するため、妻と息子を眼前で地下鉄サリン事件で失くしたと言う苦しい過去を用意している。織田の「わたし」と言う一人称形式を採用しているのも珍しく、そうまでして語りたいものは...。
グループ中の笑加が頻発性貧血で倒れたのが織田と明をリーダとするグループの係りのキッカケ。織田の仲介で笑加を不法に診る医師の前園の善意も計り難い。笑加の薬を入手するため、織田と明は故買屋から盗品をするが、結局織田は故買屋を殺す羽目になる。それも自ら実行出来たにも関らず、中国マフィアのボス李に頼み、五歳の中国娘の命を差し出して。織田の精神は病んでいたのだ。少年達とは似た者どうし。笑加の治療費のため、李の下で織田は非合法の仕事に奔走するようになる。明のように性根が据わっていないため、織田の崩れ方は脆い。笑加の兄で、李や明と敵対するトモの出現で増々窮地に。明達を救いたいと言う清らかなモラルを持っている筈の織田が、一番自己撞着と泥沼に陥っている。トモの死の後、求心性のないまま題名に沿うためだけに物語を続けるセンスも<?>。
9.11テロ事件を"対岸の火事"と見ていた日本人の政治的意識の低さと暴力の威力をハードボイルド小説の形に纏めたものだが、メッセージ性とエンターテインメント性が中途半端に混在して今一つの出来。主人公を善意かつ精神衰弱の男に設定してはハードボイルドは成り立つまい。常の如く、ダークな主人公を中心に物語を構成すれば更にインパクトの強い作品になったと思う。
やつらを高く吊せ (講談社文庫)
いやー、ノックアウトされました。
いかにもドン決まり状態でオラオラオラオラ叫びながら勢いで
書いてる風に見えますが、相当緻密な作業を行っているとみました。
携帯が存在しなかった時代のディティール、行動様式の破綻の無さ。
リズム重視のでたらめ言葉の羅列に見えて、ブリティッシュ・パンクの本歌取りに
なっていたりとか・・・
まさに馳星周の決定版という感じです。最高!・・・もとい、最狂!!