どこかで聴いたクラシック ヴァイオリン・ベスト101
最近、クラシック全般やピアノ曲含め、このような(100曲系)商品企画が多いですね。まずはお手軽に聴いてみようという方には、こういった商品はやはり大変お勧めかと思います。
聴いたことあるんだけど誰の曲だっけ?曲名なんだっけ?っていうような曲が、たくさん入っているかもしれません。
また、初めてここでいい曲に出会って、これをきっかけに、その人の作品を探求していくなんていうのもあるかもしれません。
まずは親しんでみよう、いろいろ聴いてみようという方々に、大変お勧めです。
モダンタイムス (Morning NOVELS)
『魔王』の続編。
渾身の長編と言える。
『魔王』では、なんとも中途半端だったエンディングが、
この作品で、理解できた。
おそらくすでに、考えていたのかなぁ。
また、同時期に書かれてい『ゴールデンスランバー』と、
対をなす作品と作者自身も語っていることから、
作者が、今、興味あることが書かれている。
“監視社会”
“ネット社会”
“運命”
“国家”
“権力”
“超能力”
『魔王』が大きな前振りとなり、
あの登場人物たちが、
あの後、どうなったのか、
ということが、
その国家の変えられない“事実”として、
語られたようにも思った。
特徴的なのは、
“超能力”の存在が、
『魔王』では、しっかりと描かれていたのが、
今回は、それすらもないものかもしれない、
とひっくり返すところも作者らしい。
相変らず、
暴力や、人の死に対して、
作者の一貫した思いを感じるが、
そのトーンがぼくは好きではないので、
マイナスポイントになってしまうけど……。
ただ、
予見しうる近未来社会への警鐘とも読み取れる今作は、
丁寧にディテールを描きつつ、
大胆に価値観を展開させている。
2作続けて、読んでほしいですね。
ラヴ・チャップリン ! コレクターズ・エディション BOX 2 [DVD]
収録されているのは
『ライムライト』
『独裁者』
『殺人狂時代』
『ニューヨークの王様』
このうち『ニューヨークの王様』は、晩年の作品。チャップリンの映画はもともと
思想性の高いものや、風刺のきいたものも多く、そこが好悪の分かれるところだが、
この作品は特に思想性が高い。そのためストーリーを優先しなければならず、ギャグが少なくなっている。
誤解を恐れずに言えばギャグはストーリーを展開するのにはいらないことも多いからである。
本作のエレベーター内のホースの筒先に指を挟んで抜けなくなるギャグなど典型例である。
コメディアンは、からだが動かなくなると(年をとると)物語をとるか、ギャグに軸足を残すか悩み
後者はこころを病むことさえある。チャップリンは両方を狙ったが、その結果は……
なお、このコレクションの存在価値は非常に高い。映像状態も大変良い。
モダンタイムス コレクターズ・エディション [DVD]
チャップリンの表現力が、どこから出てくるかよく分からない。
ヨーロッパの人達に分かる内容が、日本人にも分かる。
間合い、身振り、表情。
表現したい内容は、時代を風刺したもの。
時代を代表する表現者であることを知ることができる代表作。
モダンタイムス 特別版 (Morning NOVELS)
「人は分からないことがあったらまず検索する」という当たり前の行為を逆手にとって、検索した人間が次々に監視され危険なことに巻き込まれていく話でおもしろかった。所々に入っているイラストも状況を的確に捉えていて分かりやすかった。
仕事が次々に引き継がれることで作業が細分化され、最終的には良心や罪悪感が消えていくというのはもっともな話で説得力があった。また、渡辺の妻の佳代子が言っていた「仕事だからやらざるを得ないのは分かるが、開き直ったらおしまいだ。仕事でも誰かを傷つけたらそれなりに自分も傷つかないとダメだと思う。仕事でつらいことをやる人間は悶え苦しんでやらないと」というセリフはとても印象に残った。ただ、ここまで引っ張っておいて、最後が意外とあっさり終わってしまったのがとても残念だった。
本書は著者があとがきでも言っている通り、人は大した根拠もないままイメージで物事を判断することがメインテーマだったゴールデンスランパーと重なっている部分が多く、「どちらも人間の意識に問いかける」という点で考えることの多い物語だった。