動脈列島 [DVD]
「ブラック・サンデー」VS「パニック・イン・スタジアム」、「動脈列島」VS「新幹線大爆破」。さて共通項は? 噂によれば、「ブラック・サンデー」はスタジアム側の全面協力が得られたが、「パニック・イン・スタジアム」はスタジアムでの撮影は難色を示された(従って写っているのはほとんどゲリラ撮影とセットらしい)。一方「新幹線大爆破」には国鉄の協力が得られたが、「動脈列島」はやはり難色を示された――らしい。その理由は、扱った題材のアクチュアリティ=迫真性によるところが大きい。「新幹線―」や「ブラック―」が絵空事ということでもないが、「パニック―」や「動脈列島」は明日にでも起こりうるほどの真実味があるのだ。著名批評誌でその年のベストテンにも入った「新幹線―」に比べて完全に埋没した(興行的にもほとんどしょぼかった)感じの本作だが、鉄道騒音問題という社会派的な視点に犯罪スリラーを絡めた展開は、大映時代に「黒の試走車」を始めとする「黒の―」諸作を量産し、世界でも類例を見ない“企業社会派”作品群ともいうべきジャンルを確立しつつあった故・増村監督の真骨頂と呼べるものだ。現在見ても決して古びない、迫真の映画体験を保証する。
日本フィル・プレイズ・シンフォニック・フィルム・スペクタキュラー Part2~風と共に去りぬ(感動とサスペンス篇)~
1980年代以降、映像音楽の録音といえば、ジョン・ウィリアムズの指揮するボストン・ポップス・オーケストラとエリック・カンゼルの指揮するシンシナティ・ポップス・オーケストラによるものが、質的に突出したものとして存在してきた。
しかし、前者に関しては、オリジナル・サウンドトラックの演奏と比較すると、しばしば、演奏に生気を欠くことが多く、また、後者に関しては、近年になり、編曲に劣悪なものが増え、指揮者も精彩を欠くようになり、徐々にこのジャンル自体が魅力を失うようになった。
しかし、今世紀にはいり、日本フィルハーモニー交響楽団によってたてつづけに録音された6枚のCDは、上記の両横綱の録音と比較しても遜色のない、高水準の内容を誇るものである。
沼尻 竜典と竹本 泰蔵という有能な指揮者の的確な演出のもと、20世紀の古典ともいえるハリウッドの代表的な作曲家の傑作の数々が実に見事に奏でられている。
これらの演奏の特徴は、あえていえば、オリジナルの魅力を過剰な演出をくわえることなくありのままに表現していることにあるといえるだろう。
いずれの作品も、世界中に配給される映像作品の付随音楽として作曲されているために、もともと高度の娯楽性と表現性をそなえた作品である。
ここに収録された演奏は、それらの作品が堅実な職人性のうえに自然体に演奏されるだけで、視聴者に無上の歓びをあたえてくれることを明確に示していると思う。
いずれにしても、20世紀後半、正当な評価をあたえられることなく、ハリウッドの片隅において高水準の管弦楽曲を創造しつづけた数々の現代作曲家の労作をこうしてまとめて鑑賞してみると、あらためてそれらが実に良質な作品であることに驚嘆させられる。
そこには、紛れもなく、最高の職人性と大衆性が見事な結合を果たしているのである。
日本フィルハーモニー交響楽団による6枚のCDには、そうした身近なところに存在していた現代芸術のひとつの奇跡が封じ込められている。
映画のように恋したい~シネマ・アメリカーナ
映画音楽に関わらず、このタイプのオムニバスって「ダブリ」って多いじゃないですか。
このアルバム、その心配はほとんどありません。
収録曲の中で唯一、他の企画アルバムにも収録されやすい「アンチェインド・メロディ」もよく耳にするものとは違うバージョンのようです。
デビー・ブーンやモーリン・マクガウ゛ァン、サミー・デイウ゛ィスJr.等、昨今のオムニバスではまず聴くことのできない渋い人選が逆に新鮮です。
少し古い方にはたまらないはずですよ。
タワーリング・インフェルノ [Blu-ray]
製作当時、FOXとワーナーがそれぞれ同じ企画を進めていた経緯が有り、
そこで2社がそれぞれの原案をプラスして完成させた超大作。
アカデミー賞の撮影賞と歌曲賞を受賞しています。
スティーヴ・マックィーン、ポール・ニューマンのビッグ俳優だけではなく、
かなりの豪華演技陣が名前を連ねています。
監督、音楽も一流で素晴らしい大作に仕上がっています。
CGという技法のない時代ですから、ミニチュアとか合成による撮影が行われていますが、
昨今の映画になんら負けていません。
消防隊長を演ずるスティーヴ・マックィーンが最後にポールニューマンに話すセリフは、
他よりも少しでも高いビルを建て続ける建築競争に対し警鐘として心に残る名セリフです。
この特典映像は待ちこがれていたものであり、
DVDとの差を考えると特典映像も満載で凄くお得なBDです。
以前のDVDジャケットの写真は当時のポスターから作られていますが、
スティーヴ・マックィーンとポール・ニューマンは、
当時お互いにライバル視していましたから、
キャストロールでどちらの名前を先に出すか?
ポスターではどちらが左か右か?
写真の上下位置で最後は納得までさせたいわく付きの作品です。
それを楽しみながら以前に発売のDVDジャケットやポスターを眺めてみてください。
ブルーレイ購入後の感想ですが、
さすがに当時のフィルムでは最近の映画の画像には勝てませんが、
大変綺麗に仕上がっています。
音声もDTSで迫力がアップして、豊富な特典映像を含め見応えのあるディスクに仕上がっています。