マンガでわかる!統合失調症
同居していた妻の母親(故人)や姪が重度の統合失調症なので、人並み以上には統合失調症に詳しいつもりでいましたが、妻が統合失調症と診断されたのを機に、改めて統合失調症をよく知ろうと本書を購入しました。
買って本当によかったです。
筆者の絵は非常にゆるい筆致で描かれており、また筆者のご自身とお母様の体験も織り交ぜられ、ともすると深刻になりそうな内容でありながら、とても読みやすく、また分かりやすい。
また統合失調症自体や治療への理解が深まるだけでなく、関連法規や行政サービス、自助グループにも言及されているのがいいですね。家族だけで頑張らなくてもいんだということが、とてもよく分かりました。
妻が統合失調症だということが分からぬまま、いつしか自分が鬱傾向を強め、二年前から抗鬱剤を処方していただいていますが(その治療の過程で、主治医から妻の治療を強く勧められました)、そういった家族の負担も筆者の実体験から客観的に眺めることができました。
とは言え、本書をそのまま妻にも読ませようとは、今のところ考えていません。
病気への理解と自覚が進む以上に、当人が私に多大な負担をかけているのではないかと、過大に自分を責めることを危惧するからです。
そういった配慮の元で、ぜひ統合失調症のご家族を抱える方には一読していただきたい一書であると思います。
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「自分が現実だと思っている世界が、もしかしたら全てが嘘っぱちで、自分の妄想が創りだした世界だったら…。」そういう疑問を抱いて、ゾクッとなったことがある人は、ナッシュの感じた恐怖がしみ込むように心に伝わってくるはずだ。
この映画は、姉からすすめられて観たのがはじめだった。姉は、一度精神分裂病みたくなった経験を持つので、ナッシュの体験した恐ろしい世界を、リアルに感じたのだろう。そばに居て、支えている家族の苦しみも描かれていて、ナッシュと、アリシアの両者の気持ちに感情移入してしまった。
彼が精神分裂病だと分った時からラストまで、泣きどおしだった。映画館で観たのだが、ナッシュが大学に通い始めてからも幻覚に悩まされ、(彼だけが)見えている人物を振払おうとしているシーンで、前の席に座っていた男が笑って見ていたのには、物凄い怒りを感じ(蹴りあげてやろうかと思った)ると共に、呆れた。この映画を観て、笑えるシーンがどこにある?人の気持ちの分らない人間が世の中に入ると思うと、嘆かわしい。そんな奴には「解るまでまで観ろ!!!」と、このDVDを叩き付けたい!!!
恋愛睡眠のすすめ スペシャル・エディション [DVD]
ほかの方のレビューでご指摘がある通り、主人公は明らかに統合失調症(スキッツォフリーニア)にかかっている。
従って、この映画は、統合失調症とはどういうものか?という優れた考察にもなっている映画と言える。
統合失調症というのは、実は、極めて社会的な病で、現代社会のような産業社会が発展している環境でなければ、つまり社会全体がいわば“ゲマインシャフト”のような状況であったならば、その病は病として認識されるような問題は何も起きないのではないかと思う。そういう考察はもう、40年も前に同じフランスの奇才映画作家フィリップ・ド・ブロカが『まぼろしの市街戦』で描いている。
しかし現代の産業社会の中にあっては、恋愛をするにも、かくも苦闘の連続と、悲しい結末の話となる。
ところが、これはやはり、一面的な見方。原題は「睡眠の科学」である。
この結末を悲しいととらえるのは、われわれ見ている方の“正常”の基準からそう見ているにすぎない。終幕に描かれる主人公の夢は、かくも幸福感に満ちている。
主人公がメキシコに戻ると、どんな環境で暮らせるのかは、観客の想像に任せられるが、ラテン・アメリカは欧州よりもずっと、統合失調症に対して寛容な社会、というふうにこの作家はとらえているのかも知れない。
それに、この悲しい結末には、監督の明確な意図があるのは明らか。終幕の悲しい調べの音楽と合わせて、観客は一層、悲しい気持ちにさせられるが、鑑賞者は是非、この感情をかみしめて、現在、統合失調症に苦しんでいる多くの人に、優しく接して欲しい、という願いが込められているのだ。
何と、心優しい映像作家なのだろうか。
脳からストレスを消す技術
心身の健康と人生の成功のカギは「セロトニン」そのセロトニン神経を活性化する方法が、書かれています。
「リズム運動」「号泣」確かにこれは、効果があると思います。基本的に元気だけど、最近なんだか調子が悪いとか、ちょっと人間関係でもやもやした気分とかいう時には
即効性があると思います。しかし、私は個人的に、文章のあちこちに、ひっかかるところがありました。まず「セロトニン神経」を「共感脳」と呼びセロトニン不足で生じる「うつ病」などは、共感脳が弱いともとれる書き方をされておりますが、一般的には「うつ病」などは、まじめで共感能力の高い優しい人の方が、かかりやすいと思われますので、うつ病にかかっている人が読まれると、不愉快にはならないでしょうか?また、マッサージなどは、リズム運動なので、マッサージ師などは、セロトニン神経が、発達しているはずですが、知人でマッサージ師で何十年も仕事をされてきた方で、うつ病になられた人を私は2人知っているので、「リズム運動」をしているから、大丈夫と過信は禁物です。あと、人間のストレスは、大きくわけて「依存症」と「逆恨み」と書いてありますが、人間の心はそんなに、単純なものではないのではないのでしょうか?
もっとも、ひっかかった点は「自分にとっての一番の報酬が「愛する人の笑顔」であれば、自殺する人などいないはずです」という点です。自殺した人は「私利」で生きていたのでしょうか?私は違うと思います。実際自殺した人を知らないので、想像で物を言うのは、何ですが、世のため人のために働き自己犠牲的なほどに優しい人が うつ病になったりもします。そんな人が追い詰められて自殺することもないとは、言えません。私は、感動する映画を見て号泣する前に、身近な誰かの心の痛みに共感したり、ニュースで知る知らない人の悲しい事件にも、痛みを想像出来る人間でありたいと思います。
日々コウジ中―高次脳機能障害の夫と暮らす日常コミック
高次脳機能障害という障害を持った夫。それを支援する家族。それは周囲の人には想像をする以上に大変なこと。
でも、それを伝えるのはなかなか難しいことなんだけど、分かってもらいたい、と家族は思っているはず。
その家族の思いを『マンが』という媒体を借りて上手く伝えていることがとても凄いと思った。
そして、これを読んだ当事者の家族はきっと「そうなんだよ!!」と言いたくなるんじゃないかな。と思った。
難しいことを分かりやすく描かれているこの本は、これから高次脳機能障害という分かり難い障害を学んでいこうとする専門職の人たちにも是非読んでもらいたい一冊だと思う。