歌人の心情を詠んで偲ぶ。 覚えておきたい短歌150選
今回このCDを購入してとてもよかったと思います。昔教科書で学んだ幾つかの歌も、このCDの朗読を聴いていると新たな発見が必ずあります。
それと知らなかった歌も突然その味わいに驚くことがあります。今回当たり前かもしれませんが、いかに与謝野晶子が天才であったかを知ることが出来ました。若い皆さんにはとてもお勧めできますし、私のような中年ビジネスマンにももってこいです。毎日通勤の車の中で何度も聞いています。聞くたびに深くなる味わい・・きっとあなたにも新たな出会いがあるはず・・。もっともっと知りたくなる・・そういうきっかけを与えてくれるCDです。
坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
司馬遼太郎氏の小説における一貫した特徴として、人物史を基調とした史実の合間にフィクション性を見出すことと、文化・文明史的見方が顕著であることの二点が挙げられるように思える。
本シリーズはその意味で、司馬氏の真骨頂とでも言えるものだ。
秋山兄弟と正岡子規という三人の伊予人の人物史的視点と、明治日本という文明開化したばかりの国が、いかにしてロシアという巨大な文明国を打ち負かすにいたったのかという文明史的視点が見事に合わさった結果、陳腐な表現ではあるが、1+1が3を成すに至った作品である。
読む時間がかかるという点を除けば、読んで損をすることはないだろう。
最悪、教養の足しにはなるだろうし、それ以上のものが十二分につまっている。
秋の読書に是非。
明治偉人伝 胸像コレクション 1BOX
良くできています。
ただ、出来れば半分くらいの大きさにしてほしかったです。
飾るのに場所とります。
あと、材質もポリストーンとかにしてもらえれば重厚感があって良かったと思います。
病牀六尺 (岩波文庫)
「病床六尺、これがわが世界である。しかもこの六尺の病床が余には広すぎるのである。わずかに手を延ばしてたたみに触れることはあるが、布団の外へまで足を延ばして体をくつろぐこともできない。 」
と、まず書き出しが美しいんです。私は岩波文庫系の教養ある人がよむんだろうなぁ、という本はあまり読みませんが、『坂の上の雲』(司馬遼太郎)の真之と子規の友情の場面がとっても好きで、子規を知りたくなって読んでみました。
亡くなる二日前まで新聞に連載されていただけあって、ひたすら具合が悪そうです。そして病人だからちょっと自己中。
女性の教育について真面目に語り始めた回は、家の女性たちが家事に忙しくて子規さんにかまってあげていなかったことを不愉快に思って「学がないからだ」と怒り、女性の高等教育の必要性について書いておられます。論理的というより感情的、なんだけど生活が見えてきて面白いです。鋭い!という回もあれば、思い込み激しいなぁ〜と笑ってしまう回もあり、一気に読むというよりは通勤電車で毎日ちょっとずつ味わって欲しい本です。
とはいいながら、やっぱり文章が上手いし、死の間際だけあって悟っています。
「余は今まで禅宗のいはゆる悟りという事を誤解して居た。悟りという事は如何なる場合にも平気で死ぬることかと思っていたのは間違いで、悟りという事は如何なる場合にも平気で生きて居ることであった。 」