眠れ、悪しき子よ〈上〉
眠れ、悪しき子よ… を読み終えて… これほど疲れたのは丸山文学で今まで無かった。ピントが合う、ぼやけるを何度も繰り返し、結末は… まるでビートルズのホワイトアルバムの続きにアビイロードのI Want You でフルボリュームのまま唐突に終わる衝撃を聞き終えた感じ。
眠れ、悪しき子よ〈下〉
前作の「猿の詩集」を越えたとは思わない。読後の余韻は無い。感動のかけらも無いのは、「ソリッドな文体の… 」発売前の宣伝通りだと思うが…。
私の中では、丸山文学の最高作は「月に泣く」。構成と文体が見事に一致した傑作で、それを越えた作品はまだ無い。
生きるなんて (朝日文庫 ま 3-3)
甘い言葉は一切ありません。厳しい言葉の数々。
読後わき起こったのは安い感動ではなく個として現実を生きていかなければならぬ覚悟でした。
この本で指摘されていることに反感を覚える人も多いのかもしれません。
友達や親や家族を大切にしようみたいなよくある言葉などどこにもありません。
ここにあるのは目を逸らして暮らしたとしても逃げることができない事実を指摘し読む者に個として考えさせる言葉の数々。
何歳になってもこの本に書いてあることは自分を戒める言葉として苦しさから解放する言葉として大切にしたいと思いました。
最近よく見る人口甘味料みたいな耳障りの良い慰めや癒しの言葉、空疎で陳腐な前向きの言葉に辟易しつつも、
悩みがあって誰かの言葉が聞きたい人には年齢関係なく読んで欲しい一冊です。