空の巻き貝
『はたらくかっぱ』が大好きだったので購入しました。
狂った家の3歳児が空飛ぶ巻貝に巻き取られて、そのまま空の旅が始まります。
冒頭から独特の世界観と語り口にすっかり引き込まれて、楽しく読んでいたのですが、主人公たちが大人になってきたあたりから、ちょっときつかった。
すごくおもしろいんですが、性描写に若干引いてしまいました。
帯も町田さんが書かれていましたが、町田康が好きな男性の方はきっと好きだと思います。
町田康が好きな女性には『はたらくかっぱ』の方をおすすめします。
生きること
妖しいんですよ。
「パンには餡をいれー!」なんてぶっ飛んだこと言っててかつ妖しいんですよ。
最後に入ってる「オーロラ」なんか、何処かに連れていかれてしまいそうな感じが…そこが凄くいい。でもこの曲何故かライブでやってくれないんですよね。
ネコカッパ (九竜コミックス)
本書ネコカッパの内容は以前に発売された単行本「馬馬虎虎」のリミックス版ともいえるような内容であります。本編のいくつかのエピソードは、細部の変更がなされたものの、骨筋は同じに等しいものが・・。その部分も含め、絵も含む、その全てが好きものの楽しみとなるでしょう。丁度、馬馬虎虎も絶版中でありますし、今こそネコカッパを楽しむとき!
はたらくカッパ
奇病によって毛の生えた蛙の姿になってしまった父に代わって家計を助けるため
働き口を探す少女アンヌは、ひょんなことからカッパたちが生活する巨大潜水艦の
雇われ料理人として暮らすことになる。深海に潜り巨大蛸や巨大蟹と戦い、航海を
続ける日々。ある日のこと久しぶりに上がった陸地で、アンヌは食料買い出し係に
選ばれる。しかし、彼女が一匹のカッパをお供に始めたおいしいキュウリを
求めるお買い物は、やがてあらぬ方向へと転がりだしていくのだった…。
装丁とあらすじから想像がつくことと思うが、きわめてキテレツかつヘンテコな
漫画である。奇妙な光景に奇妙な人々、奇妙な生き物たちが次から次に登場し、
ときにお話にからんだり、ときに本筋にはまったく関係なくコマの隅っこに
映りながら、それぞれこの突拍子もない物語を彩りながら去っていく。読む者の
心に、とても不思議な後味を残しながら。
この作品に描かれているのは一種の幻想、そう言ってしまうのは簡単だ。
しかし、幻想は幻想でも、ときにものすごくノスタルジックで、ときに身もだえするほどに
蠱惑的な幻想である。まだ何も知らなかった子どもの頃に思い描いた、遠い遠い
ここではない「どこか」の風景。そこで何が起きているのか、そこはどんな場所なのか、
読む者の好奇心を激しくかきたてながら、絶対に届かないことがわかっている、
だからこそ余計に踏み入りたくなる甘い異世界。そういうものがこの一冊の中に
ぎっしり詰まっている。逆柱いみりさん以外のどんな人にも演出できない
とびっきりの不思議な旅行に、少女とカッパたちに連れられて旅立つ人が
一人でも増えることを願っている。