畜産市長の「口蹄疫」130日の闘い
美味しそうに育ったきれいな豚や牛が毎日ムダに殺されて埋められた口蹄疫被害の現場からのレポートが、2010年10月に1冊の本として発売されたことにこそ、素晴らしい意義があります。大量の家畜殺処分中の畜産農家さんたちの状況や気持ちだけでなく、殺処分にならずに済んだ農家さんたちの気持ちも書かれていて、人間の社会の複雑さを感じました。被害の出た全域でまだまだ大変なご様子ですが、終息宣言後、競りが開始されてから、あらためてみなさんに取材して今の心境を伺っているところに救いを感じます。
WiLL (ウィル) 2010年 11月号 [雑誌]
もう2週間も前の話題だが、怪しいと思っていることがある。
それは、民主党がこの国の行く末を国民に「投げた」のではないか、ということだ。国会議員票がきれいに(ほとんど)真っ二つに割れたのが怪しい。小沢・菅の両氏を支持するグループ、個人が何人いるかなどは分からないが、(これは私の推測に過ぎないが)投票前に何か話し合い(?)のようなものをしたのではないか、と思えてならない。おそらく、党員・サポーターの方は党よりも国民感情で投票するだろうことを見越して、悪く言えば「責任回避」をしたのではないか、ということだ。私は当初、代表選出選挙が国民投票でなくて本当に良かったと思っていたのだが、次第に上記のように思えてきた。
本誌では、この代表選を大きくとりあげている。西部邁氏は密かに小沢氏が勝つことを望んでいたと書いているが、実は私の考えも氏の主張に近い(前号のレビューで「どちらに転んでも」と書いたが)。
今回の蒟蒻問答も良かった。テレビを見ていないので知らなかったが、菅氏が硫黄島の遺骨帰還について言及したとき、「イオウジマ」と言ったという(余談だが、私のPCも「イオウジマ」と打たないと正しく変換してくれない)。先の大戦時からそのままになっている遺骨について言及したことは評価しても良いが、これでは・・・ねぇ。
このことは小林よしのり氏の「ゴー宣」でもとりあげられている。新聞などでも関連記事を読んだが、その後の動きがイマイチ見えてこないのが多少気がかりだ。「特命チーム」を設置してボランティア、NPO、自衛隊も協力して行なう、と本連載に描かれているが、これでは本格始動まで時間がかかるのでは? とも思う。穿った見方をするならば、「自分たちの功績」にしたいのか、ということである。決してこのプロジェクトに反対というのではない。ないのだが・・・。
WiLL (ウィル) 2010年 10月号 [雑誌]
新聞やテレビが一切報道しない「菅談話」徹底批判の総力特集は秀逸。とくに西村眞悟さんの巻頭論文にある「靖国参拝させてはならぬものたち」は仰る通り。学校教育で道徳の時間に教材として採用してほしい。さらに今号でスゴイのが「口蹄疫、殺処分は必要なかった」という記事。口蹄疫は殺処分と思い込んでいたが全くの間違いだったことがわかる。日本では全く報じられない海外の口蹄疫への取り組み。なぜ「殺処分は必要ないのではないか」との議論すらうまれないのか?農水省、山田大臣、東国原知事、マスコミといった関係者全てに問うべき問題。