もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら PREMIUM EDITION(初回限定生産) [DVD]
この人気アイドル「AKB48」をこうまで若者たちを狂わせ夢中にさせたのは、
かつて「おニャン子クラブ」で一世を風靡した、放送作家で、作詞家で、企画屋で、プロデューサーの秋元康。
美空ひばりの「川の流れのように」の作詞を手がけ、
「おニャン子クラブ」「AKB48」…をスターダムにプロデュースした彼を、
私が選挙参謀ならば絶対に彼を選挙ブレーンの一人に参加させます。彼は時代の雰囲気を香りと色と「形」に演出できる稀有な男です。
その彼が「AKB48」の前田敦子を主演にプロデュースしたのが、この映画です。
まず初めに、岩崎夏海の原作、略して『もしドラ』のベストセラー化がありました。
私も昨年、書店で見つけて興味半分に読んでました。
ちょうど『ポスト資本主義社会――21世紀の組織と人間はどう変わるか』(ダイヤモンド社、1993年)や
『ネクスト・ソサエティ――歴史が見たことのない未来がはじまる』(ダイヤモンド社、2002年)』読んでいたので、
難解ではあるがその卓越した視点に驚嘆していたところでした。
「マネージメント」と「マネージャー」の大きな勘違いで本来ならば大笑いで終るエピソードなのだが、
ただその経営理論が、野球に応用されるとは、それも一つの「経営マネージメントまがいの小説」に仕立てて、
100万部200万部のベストセラーとは、これも破格な本になりました。
さらに再びヒット映画をプロデュースしました。原作者の岩崎夏海もまた秋元康の影響下にある一人です。
このヒットの秘密は、
'1、一つには、勿論秋元康が、岩崎夏海の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』と、
アイドルのAKB48を結びつけてたプロデュースの勝利です。
例えば、選挙戦とアイドルはいままでつながらなかったですが、素晴らしい新鮮さが有りました。
'2、二つは、本来どのように作為的に演出しようとも、経営学の硬派のマネージメント論が、
ばかげた事に高校野球の女子マネージャーと、異種なものを一つの物語の括弧に中に入れてしまったストーリ性の奇抜さでしょうか・・
荒唐無稽だけに尚更に新鮮味溢れ、斬新である点です。
'3、三つ目は、スポーツ映画は、ボクシングやアメフトやなど名画がいろいろありますが、
その中でも「野球」という資本主義のアメリカが誕生させた、
人間の欲望と希望と奇跡を担ったストーリに満ちているスポーツを骨子に選んだことです。
ある意味で、野球神話に依存した神話力の勝利だと思います。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら PREMIUM EDITION(初回限定生産)(Blu-ray+DVD)
アイドル映画ではありますが、さわやかな本格青春野球映画として、まっとうなつくりになっています。クライマックスは大いに盛り上がれます。それでいて、難解なドラッカーの『マネジメント』が分かったような気にさせてくれる。(笑)
残念だったのは、マーケティングの重要性があまり表現されていなかったこと。正義がキャプテンになるところは、原作のようにもう少し語って欲しかった。また、敵方はもちろん、自軍の心理をもう少し深く描いて欲しかった。1球投げるシーンだけで30分の番組が終了しちゃう「巨人の星」とまではいかないまでも、適切に心理シーンを挟み込むことで、試合シーンをいくらでも盛り上げることができるはず。
とはいうものの、次郎役の池松荘亮が野球が上手いし芝居も上手い。石塚英彦や青木さやかによる本屋の店主・お客を登場させ、ドラッカーの紹介をミュージカル仕立てでおこなったり、ドラッカー本人の登場など、ユーモアと分かり易い演出は面白かったです。
クイック・ジャパン87
皆さんかわいくて、元気で明るいAKB48。
これだけの人気があるので当り前なのですが、各々様々に努力されているんだと感心しました。
全体を読んで益々応援したくなりましたし、また、不思議と逆に応援されてるような読後感がありました。
大島さんはピンチをチャンスに替える明るさ、直向きさと前向きさが伝わってきましたし、前田さんはAKB48のセンターという重責を撥ね返す芯の強さを感じ、小野さんは夢に向かって全力で頑張ってるんだなと感じました。
インタビューがあるのが表紙の三人。大島優子さん、前田敦子さん、小野恵令奈さんのみなので、あと、何人か、できれば選抜メンバー全員くらいはインタビューがあれば良かったかなと思います。
AKB48と個々のメンバー全員のこれからの活躍が楽しみです。