東京アンダーワールド (角川文庫)
六本木で始めたアメリカンピザの店が当って一世を風靡したイタリア系アメリカ人経営者、ニコラ・ザペッティの浮沈に富んだ半生に、政治家からヤクザまでもが関わる戦後の事件や裏社会の出来事をからめて興味尽きない実録読物になっている。
ザペッティは貧しいイタリア移民の子で、1921年マフィアが牛耳るニューヨーク、イーストハーレム生まれ。実家関係者にも少なからずマフィアがいたことから犯罪にも慣れ親しんで育ったという。日本のヤミ市での荒稼ぎを手始めに、数々の悪事に手を染め、その後、ピザ店の成功で一旗揚げることができたこの血気盛んなイタリア系の男を、周りが、東京のマフィア・ボスと呼ぶ(うわさする)ことに本人はまんざらでもない誇りを持っていたという。噂を聞いて怪しげな連中がこの男のもとに集まってくる。
ピザ店の方はは大はやりで、各界の著名人は無論のこと、当時の皇太子殿下が美智子さまを連れて来たり、来日したジョン・ウェインやエリザベス・テーラー、フランク・シナトラなどもやってきたというからなかなかのもの。東声会の町井久之や力道山も常連で、ザペッティとも親しかったという。
ロッキード事件にも言及し、田中角栄、金丸信、浜田幸一ら政治家も仮借なく斬る。児玉誉士夫や小佐野賢治についても同様。長身に銀髪、洗練された風貌という稲川会会長、石井進については、敬虔な日蓮宗の信者にもかかわらず政界、経済界に食い込む知能犯で、インサイダー情報で野村証券から資金を得て「東急」株を暴騰させてボロ儲けしたとか…いろんな裏話しやエピソードが散りばめられていて面白い。
週刊誌の裏情報的な内容も少なくないが、著者はかなり詳しく調べており、裏付けを取っている。特に親交の深かったザペッティについての話は信頼できるのではないか。伝聞や風説だけで書いているものではない。戦後の闇社会の一面を興味深く読ませる大変面白い本で、是非一読をお勧めする。
東京アンダーグラウンド 第2巻 [DVD]
東京の地底にある、東京アンダーグラウンドを舞台にした、人気コミック『東京アンダーグラウンド』のTV化。第2巻は、主人公『浅葱留美奈』が風の能力に目覚めたところから、その能力を少しずつ使いこなしてゆくが、公司の刺客によってさらわれてしまう『ルリ』 心の変化にも注目、このあたりからどんどんおもしろくなってゆくので、少しでも興味を持った方は見てみてはいかがでしょうか。
浅川マキがいた頃 東京アンダーグラウンドーbootlegg- [DVD]
惜しくも先日お亡くなりになってしまった彼女のラストライブ(映像の残ってるものとして)を含む一枚。原田芳雄が参加した短編映画や、リハーサル風景、本人が写ってないのに、彼女を感じさせるジャズセッション等盛り沢山です。
彼女のファン以外の人が見たら散漫とした部分もあるかと思いますが、ファンにはそこがマキさんらしてたまらんといった所もあるでしょう。
当然、夜しか見ないほうがいいです。
BEST OF GOING UNDER GROUND with YOU(初回限定盤)
実は彼らのアルバムを1枚も持っていないのだけど、この異常なまでにポップでキャッチーな曲ばかり集めたベスト盤を聴くことで、彼らのアルバムを聴いてみたい、そしてライブを見たい、と強く思った。
これはサッカーでいえば、ストライカーのスーパーゴールシーンだけを集めたダイジェスト集。
ただ、チームのファンになれば、ディフェンダーやキーパーの素晴らしいプレーや、パス回しや、時にはミスをしてピンチに陥るシーンも見たいもの。それにはスタジアムに足を運んで、生で試合を見るしかない。
そういう意味で、これぞまさにベスト盤。
それ以上でも、それ以下でもないのではないか。
ひょっとすると長年のファンの方は物足りないのかもしれないけど、すべてのアルバムを持っているようなファンなら、そもそもベスト盤を買う意味もない気がする。