北の国から 95 秘密 [DVD]
ストーリーにこれといった盛り上がりが無く、小さなことと言っては失礼かもしれないが、よくある、ありきたりなトラブルを抱えながら、淡々と生活していく家族を描いています。
この物語の中で、勝ち組は一人もいません。
通常ならば、勝ち組の役を演じるような宮沢りえも、懸命に生きている女性を演じています。
そして、それらが北海道の独特の情景の中できめ細かく演じられています。
私は、北の国からのスペシャルの中ではそんな「秘密」が特に好きです。
ただ、生きていくことが、尊くて素晴らしいと感じさせてくれる、数少ないドラマです。
富良野自然塾・倉本聰対談集 愚者の質問
今日のおかしくなった日本。
誰でもが疑問に思うことを、「富良野自然塾の倉本塾長林原副塾長」が、「愚者」と称して、我らに代わって、識者に切り込む。
「その通り」。「なるほど」と、こぶしを振り上げることしきり。
何より、理屈を振り回すのではなくて、自ら実践していることに敬意を表してしまいます。
続編が待ち遠しい!!
「北の国から」ガイドブック
黒板五郎、純、蛍はもちろん周りの登場人物の歴史や、相関図などがかなり詳しく載っています。
さらに富良野、麓郷のロケポイント、ドラマで登場した喫茶店やラーメン屋、撮影裏話も満載です。
カルトコラムでは「五郎さん愛飲の酒」もわかって面白い!
富良野を旅するなら、このガイドブックで「北の国から」めぐりをすると楽しいですよ。
るるぶ札幌 小樽’12 (国内シリーズ)
実際に、7月末の2泊3日の札幌・小樽旅行で使ってみた感想を述べたい。
いくらネットで情報が入手できるとはいえ、中年夫婦の旅行では旅行ガイドブックは必須だ。私は、定番の本書と、札幌・小樽・富良野・旭山動物園 (楽楽)との2冊を旅行の2ヶ月前に購入して、事前調査および実際に携帯で利用した。
さすがに定番の本だけあって、写真が多くて、事前に旅行への期待を盛り上げるのないよに良かった。内容は食べ物の比重が高く、観光地案内としては少し記述が不足している観があるが、2泊3日で行くことのできる場所は限られているので、この本で十分であろう。読者ターゲットとしては、若い世代向けであろうから、中年の読者は他の本も併読することをすすめる。
優しい時間 DVD-BOX
"売れている役者を揃えて安易な惚れた腫れたやったやらない"或いは"刺激的な素材を扇情的に心を傷つける""バラエティ紛いの下らないおふざけ"etc...
今、ドラマと言えるものはそんなものばかり、「ドラマは死んだ」と言われて久しい。
かつて「ドラマ」が"生きて"いた頃の、そんなドラマを今一度見たいならこの作品だ。
タイトルからは、ほんわかした癒し系のイメージを感じられるかもしれない。が、このドラマの"優しい"は"厳しい"とセットである。だからこそ"優しい"と言えるのだ。
それは人間関係の描写もそうだし、ドラマを見て「富良野の地」に憧れる視聴者にも凄まじい吹雪の描写となって突きつけられる。それでも尚、そこを越えてこその人と人の繋がりなのかもしれず美しい自然なのかもしれない。
「北の国から」を御覧になっていた方なら周知だろうが、実際に広大な北の大地の空間で、本当の雪が降る中でのドラマが醸し出す"生"な感覚は、他のドラマでは得難い物だ。
作者、倉本聰は言う。「ドラマは東京にしかないのか?」「知識と知恵とどちらが大事か?」
エピソードの幾つかは実際に倉本氏が富良野で体験した出来事が反映されている。そこには「都会では決して体験できない」「知恵に裏打ちされた」ドラマがある。
脚本以外にも、倉本の脚本の"行間"を実に上手く汲んだ演出、それを美しく語る渡辺俊幸の音楽の絶品さ。
賞を総なめにするレギュラー陣の演技の確かさももちろんだが、麿赤児、國村準、余貴美子、山谷初男といった渋みのある脇役陣、確かな存在感と個性を放つ富良野塾OB達、時任三郎、北島三郎、佐々木すみ江、徳重聡等のゲストといった演技陣も得難い味を出している。
観終わった後、心地良さと共に色々と考えされられる物がある作品です。
心を震わせてくれる、そんな作品です。