ドクター・ドリトル [DVD]
エディ・マーフィ演じるドリトル先生が、或る日車で犬を轢きかけてから、突然動物と会話できるようになってしまう、という物語。噂を聞きつけた動物が集まり、自分達の体の不調を診てもらおうとやってきます。周りから頭がおかしくなったのでは、と思われながらも、最後は動物達のためにドリトル先生が立ち上がるというハッピーエンドで終わります。奇想天外な物語ですが、おなじく動物に関心のある娘に対し、自分らしく生きるという親子のメッセージが含まれているところが良かったです。ただし、エディ・マーフィの映画らしく、動物達の会話が、かなり下品です。
どーも
一つ一つのことばが、重い。まるで凍り付いた心が少しずつ溶けていく様に自然と涙が流れる。
制作過程では、そのような意図は全くなかっただろうが、結果的に未曾有の災害に見舞われ、日本全体が大きな傷を負
ったこの時期に発表となった小田和正の新作。結果としてこれ程時代とリンクする音楽も珍しい程に、今の私達にって力
となる言葉と、温かいメロディに溢れた素晴らしい作品となった。
個人的には小田氏は今まで縁の薄い人だったが、今回あるきっかけで彼の曲「ダイジョウブ」に触れ、少なからず今回の
災害によるショックで虚ろ気味だった自分の心に直に響く彼の言葉と声に大いに打たれた。そして心の渇きを癒す様に本
作を手にした。クレジットを見ると多くのタイアップが付いている様だが、自分にはどの曲も初めての体験。
歌詞カードを見ると、彼の紡ぐ言葉の普遍さに気づかされる。表現は平易で明確、聴き手によって色々な解釈が出来るも
のになっており、それだけに自分の現在の心にぴったりと寄り添ってくれる。ここに収められた珠玉の10編は、この一月メ
ディアを通し目に映った、様々な悲しみを乗り越えて生き抜く人々の姿とどうしてもオーバーラップしてしまった。
嬉しいのは言葉の端々に、悲しみの先の希望が見えること。「悲しみは やがて 消えることを 知った(「さよならは 言わ
ない」)」、「君の明日が きっと いい日で あるように(「やさしい雨」)」…メッセージ自体はシンプルだが、小田氏の凛とした
声で誠実に歌われるこれらの言葉は、圧倒的な説得力をもって響き心の震えを抑えられない。これらの言葉は自分だけ
でなくきっと多くの人達の心を癒し、力の源となるのではないか。
勿論音楽そのものの充実も見逃せない。特に流麗なストリングスを大袈裟にせずさり気なくあしらったバラード群は、小田
氏のメロディメイカーとしての才能が十二分に発揮され絶品だし、松たか子他が参加したたおやかなコーラス隊の活躍も
聴き処だ。
作品そのものが上質のポップス集だが、今回リリースされた時期、個人的な心情も加わり特別な一枚となった。自分にと
って今、正に欲しかった言葉と歌声を届けてくれた小田さん、本当にどうもありがとう。