心の傷を癒すカウンセリング366日 (講談社プラスアルファ文庫)
この本は、本来アダルトチルドレン(AC)のための本なのですが、
誰にでも、人生の疲れを軽減してくれ、人生を力づけてくれるでしょう。
アメリカ在住のセラピストである著者によって書かれた本で、
1日1ページずつ読めるような構成になっています。
アダルトチルドレンとは、機能不全な家族の中で育った人のことです。
自覚してない場合もあります。
生き辛そうにしている友人知人への贈り物にも。
プロカウンセラーの聞く技術
この本は「本当に聞くこと」「本当に聞こうとする意識を持つこと」の重要性を教えてくれている。自分の本棚に常に置いておきたい本の一つだ。なぜなら無意識のうちに聞くことしなくなってしまうからだ。
私は古本屋に一度売ったが、半年後新しく買いなおした。人間関係が上手く行かない時や、しゃべりすぎて自己嫌悪になったときは何度も読みかえしています。
また相手の真意が見えてこない時は自問自答します。「私は本当に話を聞いているのか?」
数字と踊るエリ 娘の自閉症をこえて
女優の覚醒剤事件で猛烈にメモりながらしゃべるこの人の姿を見て、切れ者と感じました。本の新聞の紹介記事の写真が「優しいお父さん」って感じで、ギャップが意外で買いました(正直、自閉症にそれほど興味があるわけじゃないです)
この人、スタジオから一歩出れば、病気の奥さんと発達障害の娘さんという現実があったんだなあ、とずっと引っかかってしまいました。それでも、何をやっても数字がゾンビみたいに蘇ってくるのが怖くて、サスペンス小説みたいでした。「最後は無事に進級してハッピーエンドだろう」と思っていたら、どんでん返し的な不思議なラストシーンでした。
しんみりしてたら、最初の方で、この人が「専門家」としての自分の無力ぶりをプライドをかなぐり捨て徹底的に描写しているのに気がつきました。受診のふんぎりは、卒園行事での娘の行動があまりにも異様なのを見て、やっと。子供の障害はこの人の知らない分野で、自己流の診断も間違えます。受診にゆく途中も怖くなっていったん引き返しそうになってしまいます。診断された後は、あたり構わず泣きながら娘の手をひいてゆきます。翌日、あわてて自閉症の本を探しにゆきます。
考えてみれば、専門家っていっても、自分の研究から少し離れたことはよくわからないってことはよくあることだろうと思います。それでも、そのことをここまでさらけ出すということは勇気のいることだと思いました。「何でも知ってます」みたいに気取る権威的な専門家より、この人のように「詳しくない分野はわかりません」と率直に言ってくれる専門家の方が信用できると思いました。かっこつけていたら、子育ては成功していなかったでしょう。
奥さんが「健康に生んであげられなくてごめんね」って毎晩お詫びをしているって打ち明けはあまりにも痛ましいです。それに対して「君の責任じゃない、俺の遺伝だ」と言い張るこの人は、奥さんをかばおうとしているように見えました。薄っぺらな人が書いたんじゃないし、自分の弱さを直視し、裸になって何もかもさらけ出しているところがすごみです。
実名で発表していることも勇気あると思いました。私は、自閉症のことは、知らないです(当時録音した会話をそのまま書いたというあたり、こんな迷路みたいな話をされていたら親御さんはストレスたまるだろうと思いました)。もし、発達障害児をお持ちの親御さんが、世間にそれを隠さざるを得ないような社会の偏見があるのだったら、この本がそういうことを変えるきっかけになってくれることを祈ります。