自分でつくるダンスウェア―Shall we dance?
ダンスも楽器を弾くのもかなりハードな動きをします。なかなかコンサート衣装も楽器によっては不適切なものも多いのが実情。ことに「チェロ」は足を開くのでAラインのドレスや細身のものは不向き。ダンス衣装から素敵なアイディアをもらいました。
Shall we ダンス? [VHS]
あれれ、これってまだDVDになってないのか。そんな馬鹿な。まあ、それは良い。私はこの映画をアメリカはニューメキシコのアルバカーキの場末の映画館で観た。館内を埋めたアメリカ人は大爆笑の連続で、特に竹中直人がうけていたと記憶している。
西洋社会の片隅でみると、この映画がもつ日本的なイディオムが特に際立って感じられた。たとえば、この作品には、漫才で言う「ボケとつっこみ」がいたるところにみられるし、「ハゲ」「ババア」「チビ」など他人の身体的特徴をあげつらって笑いに変えてしまうのも「漫才」「狂言」的である。またさらに、この作品には「スポコン」の要素もある。役所や竹中が大会に向けて特訓したりするのがそれだし、大会で竹中扮するドニー青木が恋敵と対峙して睨みあったりするのは「いくぞ花形。来い星君」的ノリである。観客席に陣取る私立探偵とその助手は解説者の役回りであり、これも漫画的だ。さらに、竹中のあの大げさな振りは70年代の西条秀樹を彷彿とさせる。
いずれにせよ、洋の東西を問わず、笑いは国境を越えて共有できるものであることをこの映画で確認できたのは幸せだった。
うたの☆プリンスさまっ♪ハッピーラブソング(1)
ゲーム中で使われてた曲と間違え購入しましたが、聞いてみたらアラ、良かったです(笑)
気分が明るくなる曲ですね、どちらも。キャラひいきという訳ではないですが、やはり宮野さんの方が好きかも。でも、どちらも良かったですよ。
にしても宮野さん、歌上手いなあ…。
『Shall we ダンス?』アメリカを行く (文春文庫)
周防正行監督作品『Shall we ダンス?』アメリカで公開に関する本。いきなり「アメリカでのリメイク権はぼくとは関係がない」という厳しい現実を見せ付けてくれる。なぜ権利のない監督にリメイクの話をするのか、担当者があくまでも映画は監督のものと考えていたこともあるが、外国語映画を見るコアなファンにオリジナルをいじったと思われたくないためである。そして最終的に監督は嫌々ながら自分の意見を入れた形でショート・バージョンを作ることになる。このミラマックスの編集に対する態度は読んでいて辛いものがある。そう、この本の半分はワインスタイン兄弟が経営していた時代のミララックスと日本側との激しい攻防戦である。社長はすぐに映画を短くしたくなることで有名だが、アカデミー賞の外国語映画部門日本に代表になれないと知ると、これでアカデミー本選が狙えると言うようなバイタリティー溢れるキャラクターでもある。
またミラマックスは周防監督にファースト・ルック(監督が企画した映画を最初に知る権利、制作・配給ではない)の契約を結ぶことを要求するが、これも面白い。ミラマックスがファースト・ルック契約を結んでいた監督はQ・タランティーノ、R・ロドリゲス、P・ジャクソンなど。ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』に大して当初ミラマックスが一本の映画にしろと言ったのは有名。
残りはアメリカ各地での上映や、雑誌・新聞・映画関係者の会見など、中にはつまらないものもあるがそれはそれで面白い。487233941Xへと続く。
アメリカ人が作った「Shall we dance?」
映画監督・周防正行が自作「Shall we ダンス?」のハリウッドでのリメイク版製作の顛末を追ったノンフィクション。前作「『Shall we ダンス?』アメリカを行く」(太田出版/文春文庫)の続編です。
オリジナル版とリメイク版のストーリー展開を仔細に比べた終盤は秀逸です。日米間のダンスや夫婦をめぐる文化の違いをどのように描きわけているのか、周防監督ならではの比較論は読ませます。
リチャード・ギアが映画の終盤でバラの花を一輪買ってある場所へ出向くというのはリメイク版にのみ登場する場面ですが、著者はこれを「圧倒的にアメリカ映画だった」と評しています。実はこの場面を私も、そして一緒に観にいった友人もポロポロ涙を流しながら見ました。そう、確かにあれはオリジナル版にはない、とってもアメリカ的な美しいシーンでした。
この他にもハリウッド映画が持つ、常時3台のカメラを回すという贅沢な製作体制や、「胸のすくような気持ちよさを覚える」鮮やかな演出振りに、監督は素直に羨ましく思ったり賞賛の言葉を綴ったりしています。
一方で監督はアメリカの横暴ぶりには激しい怒りを向けます。リメイク版はオリジナル版の全英選手権の映像を、無断使用して事後承諾を求めてくるのです。日本映画がハリウッド映画のカットを断りもなく使って事後承諾を求めたりすれば莫大な使用料を請求してくるくせに、その逆は許されるはずがないと、周防監督は本気で怒ります。
ワールド・プレミアで監督と妻・草刈民代が交わした夫婦の会話、そしてオリジナル版の全米公開の端緒を作った交渉人エイミーのスピーチなど、本書は心震わすエピソードが満載です。日米比較論として読むも良し、国を越えた人間同士の心の交流を描いたエッセイとして読むも良し。大変充実した読書体験を与えてくれる一冊です。