1993年の女子プロレス
当時の女子プロレスに興味があった訳ではないのだが、面白いという話に惹かれて読んでみた。
男子プロレス、格闘技のドロドロは知られるところだが、女子プロレスは、とにかく無茶苦茶である。
女の業を上手に利用した、経営者の才覚もあるのだろうが、とにかくインタビューに出ている選手のキャラクターが立っており、当時のそれぞれの選手の認識がずれているとことろも面白い。
何より、筆者の女子プロに対する愛情が伝わってくることが素晴らしい本に仕上がった要因だと思う。
新日本プロレス創立20周年記念オフィシャル・アルバム “超・激戦士伝”
武藤敬司、橋本真也、蝶野正洋の当時の会場使用音が収録されています!
これを聴くとオレンジの武藤、IWGP驀進中の橋本、G1初制覇した頃の蝶野の姿が浮かんできます。
買う価値はありますよ!
ラバーマスク M2 あご
このマスクには視界確保の穴がほぼ無いです。
マスクの鼻の穴のところに小さな穴が下向きに2つ空いているだけです。
実際マスクをかぶってみると、
あごの長さがあるので自分の目の位置がマスクの鼻の位置になり、
そこから少しだけ外が覗けるだけですので、前方は首を上げないと見えない状態で
足元もほとんど見えませんので、マスクをかぶりながら歩くことは難しいと思います。
ただ、穴の大きさを自分で少し広げればまだマシになると思います。
完本 1976年のアントニオ猪木 (文春文庫)
07年刊行の単行本に加筆、そして単行本刊行“後”に実現したアントニオ猪木へのインタビューが掲載された一冊。
著者のプロレスに対する立場は、「プロレスはスポーツではない。プロレスラーは勝利を目指さないからだ。よくプロレスは八百長などといわれるが、正確には違う。八百長試合ならばどんなスポーツにもある。普段は真剣勝負を戦い、時々負けてやるのが八百長である。一方、プロレスのリング上では真剣勝負は禁止されている。勝者と敗者を決めるのは観客の欲望を代行するプロモーターであり、レスラーではないのだ。(p68)」というものだ。
しかし、“プロ”レスラーでもあり同時に新日本プロレスの社長でプロモーターでもある猪木が、1976年に限って、ルールを逸脱したリアルファイトを行ない、それ以降は行なわなかったのかという理由を探ったのがこの作品だ。
よって、著者のこの立場に拒否反応を示す人(著者の見方を全面否定する人はいないと思うが)にとっては無用の一冊だ。
私自身はここ数年プロレスを観ることはなくなったのだが、熱心なファンだった頃の見方は、最初は単純にプロレス最強を信じる純粋な?ファンだったものが、いろいろ内幕を知ってからは、筋書きのある試合の中で本当に強いプロレスラーが一瞬みせる本気(相手との格の違いをみせつける瞬間)を見つけて喜ぶというものに変化していったのだが、そんな私にとってこの一冊は非常に興味深い作品だった。解説の海老沢泰久がこの本を「歴史書」と定義づけたのも頷ける。
著者は、文庫化にあたって「完本」と題した大きな理由を、単行本刊行時に猪木に拒否された猪木自身へのインタビューが実現したことにあると記している。たしかに、この一冊は、猪木自身の言葉で語られる「1976年のアントニオ猪木」が収録されなければ完結しないと思われる。勿論、猪木自身が著者の問いに対し、全てを明確に語っているわけではない。当たり前だが、自分に都合が悪くなることははぐらかしている。で、本当のところはどうなの?ともどかしくなる箇所もある。インタビューによって著者が主張したことが真実であると明確になったわけではない。
私は、このインタビューが掲載された雑誌ナンバーの定期購読者なので、このインタビューが掲載された号を読んでいるはずなのだが、殆んど記憶に残っていない。しかし、本編を読み終わった後、巻末に収録されたものを読むとこのインタビューが非常に興味深い内容だったことがわかる。
経緯はどうあれ、単行本刊行前は取材を拒否した猪木が、刊行“後”にはインタビューを受けたという事実にこの作品の価値があると感じた。
アントニオ猪木フルタイム戦シリーズ vsドリー・ファンクJr.[復刻版] [VHS]
当時はジン・キニスキーから王座を奪って日の出の勢いのドリー。来日するごとに馬場、猪木とタイトルマッチを行って、そのいずれもが名勝負だった。ちなみにこの試合の1年後にも馬場&猪木とNWA戦をやっており、そちらも白熱の名勝負だった。猪木戦のほうはDVD全集に収められている。
馬場と猪木のどっちが強いのかというファン心理は、ドリーの二人に対するコメントや評価にも注目することになる。単にNWAタイトルマッチということ以上に、ドリー対馬場、ドリー対猪木のシングルには意味があったのだ。
勝負は原則として徹底的な、掴む、きめる、締める、投げるのストロングスタイルであるが、お互いにラフに出ると同程度やり返してはまたクリーンファイトに戻る、という展開。ただしこの時の猪木は左中指を骨折しており、ドリーはそこを攻め、また猪木はドリーに比べると大技を温存しながらという流れ。
試合のクオリティは極めて高いことはいうまでもない。しかしひいき目抜きに、ケガしているにもかかわらず全体的な動きは猪木がやや勝っている。ドリーは猪木の攻撃を分断するような見事な返し技、痛め技、そしてバックドロップやテキサスブロンコスープレックス(といっても要はダブルアームスープレックス)などを的確に使っていく。もちろんスピニングトーホールドやコブラツイストの攻防も見ることができる。
確かに後の88年の猪木対藤波戦の原型と言える試合だし、解説の遠藤幸吉が言うように、57年のテーズ対力道山のフルタイム戦を彷彿とさせる名勝負と言うにふさわしい、レスリングの王道が味わえる。
唯一不愉快だと思うのは、セコンドの父シニアと、まだ若手の部類であったがなぜか腰巾着のように帯同するハリー・レイスの存在。とくにシニアは試合に割り込んできたり、ドリーもそれを求めるかのように猪木をコーナーに引きずり込んできたりして、親子の情もここまでくると見苦しいとしか思えないのだが・・・怒った観客がみかんなどのものを投げ込む気持ちもわかる気がする。
そんなことをしなくてもドリーは十分すばらしいファイトができるのに、もったいない。対する猪木側のセコンドは白はちまきをして気合い十分の吉村とシニアに食ってかかる大木である。グリーンボーイ時代の木戸、筋骨隆々の時期の山本小鉄の姿も見える。