食える数学
大学→企業→大学というキャリアーを踏んできた著者が、学問の枠を超え日常生活で使われている数学を解説し、数学の付き合い方を示す本。
本書は序章・終章を入れると5章構成になっている。 面白かったのは第1章。 小難しい数学の定理が実際の世の中でどの様に使われているかを解説している。
・暗号化の仕組み →因数分解
・2次元バーコードの仕組み →多項式
・確率迷惑メールを判別する仕組み → 確率
・石油層の発見 →フーリエ解析
などなど。 学問としての数学が実社会で形になっている様は非常に興味を惹かれる。
タイトルから想像される内容は上記の物だった事もあるが、その後の章は今ひとつ。
数学と言われる学問を区分けかしたり、工学者がみる数学と数学者が見る数学の違いを述べたり、知識としては良いが、単に「へぇ〜」で終わる程度の内容。
著者が数学の面白さを伝えようとしているのは分かるのだが、後半部分は一方的な知識の押し付けの様に感じた。