ウォール・ストリート ブルーレイ&DVDセット(初回生産限定) [Blu-ray]
『ウォール街 (特別編) [DVD]』で、拝金主義者を撮ったオリバー・ストーン監督としては、リーマン・ショックという未曾有の経済パニックを起こした舞台を映像に収めておきたいという願望があったのではないかと推測しました。
強欲な連中が敵と味方を入れ替えながら一人勝ちを収めるまで欲望を閉じようとしない姿が描かれます。これに、若者が未来の技術に資金を供給しようと努力する姿が重ねられます。
金融資本の暴走と資本主義の持つ本来的な機能を対比させているのでしょうか。
そこに、ゲッコーが出所。無一文から反撃に転じてゆきます。
マイケル・ムーア監督の『キャピタリズム~マネーは踊る プレミアム・エディション [DVD]』のように、社会に告発してゆく映画ではありません。
むしろ、欲望を惹き付けるエネルギッシュなウォール街を好んでいるようです。
ゲッコーは言います。「これは、ゲームだ」と。
ゲームの勝者の手元に残る賞品はマネーだけ。
家族も愛情も暖かな寝床も失った大金持ち。敗者は監獄行き。
ここが監督の唯一の主張かと思われます。
Never Let Me Go
読み終わるのが勿体無いような、何時までも浸っていたくなるような、抑圧の効いた、最初から最後までまったく世界観がぶれない文体に脱帽です。この作品を読んでみて、昨今の日本の小説家の表現があまりにも直接的で強いかに気づかされました。淡々と、抑えた表現の中に誠実に書き綴られていく人間関係の厄介さ、成長していくことの辛さ、そして、抗えない運命の残酷さ。小説の王道をいくテーマと、現代(もしくは近未来)が抱えるテーマが見事に共存した傑作です。久しぶりに小説らしい小説に出会えました。そして、柴田元幸氏氏の解説がまた、短いながらも大変素晴らしいです。
Never7 -the end of infinity-(限定版)
Ever17をプレイして、どこか哲学的なものを感じさせるその世界観に魅かれ、
シリーズに興味を持ったのがきっかけでプレイしてみました。
伏線回収の爽快感はやはりEver17の方が勝ると感じましたが、
それぞれのルートのシナリオは、全体的にこちらの方が好きでした。
序盤から次々と沸き起こる疑問が、各ルートを進めていくごとに
少しずつ解消されていくので、先が気になり中だるみ感もそれほど感じずにプレイできました。
セーブ箇所の多さやスキップ、クィックセーブ・ロード機能等、システム面も抜群です。
全てのルートをクリアしても、解消されない疑問がいくつか残ったのが少し気になりましたが、
細かい所ではEver17でもそれはありましたし、自分の中で考察したり、考察サイトを見たりして補完するのも
このシリーズの楽しみ方なのかな、とも思いました。
条件を満たすとオマケで追加シナリオがプレイできます。
ほとんどがユーザーから公募したもののようですが、
中には面白いと思えるものもありましたが、正直ここまで本数なくても・・・(30本以上!)
という気もしました。。。
元々はだいぶ前の作品なので立ち絵等が少し古いと感じたり、あるルートだけ同じ人が書いたとは思えないような
「???」なクォリティのシナリオだったり(これは追加シナリオの方に入れたら良かったかも?)、
ちょっと残念な部分もありましたが、
終盤で出てくる量子論?だったり、小難しいけど興味深い話など、独特の世界観は期待通り満喫できました。
どうしてもEver17と比較されたり、その陰に埋もれてしまっている感がありますが、
もっと日の目を見て良い作品だと思います。
Never Let Me Go
この本を読んだのはもう数年前。
でも、未だに消えることのない、心の中に漂う悲しみや切なさや絶望。
つい最近、もう一度読み返してみる。
誰しも生まれる自由はない。
親を、環境を選んで生まれることは、出来ない。
この作品における極端に特殊なシチュエーションはメタファーに過ぎないと思う。
恐らく私たちすべてに言えること。
生まれ持った宿命を許容するとは、どういうことなのか・・・。
不幸な、あるいは自分が望まない「環境」を努力で変えていける人も確かにいるだろう。
しかし、多くの人は生まれた環境、両親、家業や立場(長男だとか一人っ子だとか片親だとか孤児だとか)の中でもがき苦しみながらも、許容して生きているのではないだろうか。
この作品を読み終えて私の中に、「許容とは何なのか?」
という疑問がずっと停滞したままだ。
もしかしてその答えは、一生かけて見つけていくようなものなのかも知れない。
そのテーマを得ただけでも、私にとってこの作品は、カズオ・イシグロという作家は、マイベスト、だと思う。
他の、「日の名残り」、「私たちが孤児だった頃」、「浮き世の画家」なども、
基本的にこの作家が投げかけているテーマは同じ、だと思うので、そちらもお勧めしたい。
日本が産んだ、世界で読まれている偉大な作家だと思う。
CNBLUE 1st Mini Album - Bluetory(韓国盤)
『ひとりぼっち』を聞いてCNBLUEにどっぷり浸かってしまいました。
言葉がわからなくても心の中に沁みこんできます。
聞けば聞くほど好きになると思います。
歌唱力もバツグンですヨォ!!