ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)
アメリカの貧困を描いた堤氏の前著は、アメリカの知られざる一面を示し、日本人にも大きな驚きを与えた。しかし、今にして思えば前著はリーマンショック以前に執筆されたものだ。
その後、経済は激変した。アメリカは今どうなってるのか。強い興味を抱き本書を読んだ。
経済激変の影響はやはりあった。
大学は収入の減少で授業料を値上げし、学生のローン負担は急増してる。財政破綻したカリフォルニアでは、公的医療保障の対象から歯科と眼科を外したという。失業者の増加は無保険者を増やし、さらに自治体の公的医療予算の削減はそれに頼る貧困層に深刻な影響を与えてる。
以下、特に気になった学資ローンについて述べる。
アメリカの大学は学費は高いが、奨学金が充実してると言われていたが、それはもう過去の話のようだ。学生の多くは高利の学資ローンに依存してる。
この学資ローンのたちが悪い。マニュアルが「借り手の配偶者に対し、払わなければ刑務所送りになると脅せ。etc.」ってサラ金よりたちが悪いぞ。
関連する法律も、学資ローンから低利のローンへの貸り換えを禁止するとか、破産免責がないとか、消費者保護法の対象外だとか、にわかには信じられないひどさだ。
元々は公的な機関だった学資ローンが、規制緩和と民営化でここまで変わったようだが、この法律は規制緩和というレベルじゃない。世間知らずの学生が食い物にされるのは自明の結果ではないか。政府は一体何を考えてんだ。
しかし、それでも若者は借金をして大学に行く。彼らを駆り立ててるのは、成功への夢ではなく貧困没落への恐怖のようだ。
しかしローンが滞れば大学は単位を出さず、卒業できなければローンを返せる仕事には就けず、破産しても免責は受けられない。若い頃の失敗が一生を台無しにしてしまうのか。
前著のレビューでも書いたが、評者には次世代を食い物にするこの人材浪費型社会が、移民なしに持続できるとは思えない。
怪人二十面相
1からテンション高く、捨て曲が一切無しの名盤である。
それまでどちらかというと「ドゥームメタル」なイメージが強かった人間椅子だが、
この作品は全曲ハードロックよりになり、「乱歩ハードロック」を堪能させてくれる。
私が特に好きなのは、怪人二十面相、刑務所はいっぱい、芋虫
他の曲も耳に残る良いメロディーの曲が多い。
「桑田佳祐の音楽寅さん~MUSIC TIGER~」あいなめBOX【通常版】[DVD]
オンエア中はたまにしか観る機会がなかった「桑田佳佑の音楽寅さん」、待望のDVD化に勇んで購入したものの、なんせ本編特典併せて650分のヴォリューム感。観れども観れども終わらない至福感に浸りながら、ようやく完走した。
ここに凝縮されているのは桑田サウンドのみならぬ、ロックからフォーク、ポップスからジャズに至るまでの古今東西の洋楽邦楽の名曲たち。
選曲もふるっていて、例えば、石川セリ「八月の濡れた砂」、浅川マキ「かもめ」、小林万里子「朝起きたら」と言った知る人ぞ知る幻の名曲があって、ジャジィな「おふくろさん」やブルースな「千の風になって」や弦楽協奏な「ゲゲゲの鬼太郎」があって、伝説の渋谷ゲリラライヴでの「勝手にシンドバッド」や網走刑務所慰問での「花」があって、ビートルズ、ディラン、ザ・フー、クラプトンがあって、そしてもちろん適材適所でお約束のライヴがあってと、あといちいち挙げていられないけれど、各回とも例外なく聴き惚れたり口ずさんでしまう素晴らしさで、今更ながらに、桑田と製作陣の音楽センスのとフットワークの良さに感心する。
しかも、それだけでも満足なのに、楽曲たちの合間に繰り広げられるユースケ・サンタマリアとの軽妙なやり取りとベタな寸劇の数々のバカバカしさ(笑)が、これが時折インサートされるテロップと相俟って、実に可笑しい。
正に、歌とヴァラエティのコンビネーションで、そのパーソナルな魅力を実感する。桑田さんて、ホントにサービス精神旺盛なのね。
シンガーとしての確かな実力と、稀代のエンタテイナー、桑田佳佑の真髄を堪能出来るBOX。ファンなら絶対手元に置きたいソフトゆえに、この価格は決して高いとは思えない。
女囚帝国 凌辱エロチカ [DVD]
銃弾で殺すようなシーンは、一箇所もなく、ひたすら全裸を強調した作品です。しかし、意外といやらしさは少なく、むしろ美しい芸術作品を思い起こさせるような作品になっています。また、兵士が優しいことやさしいこと、全裸の女性を助ける側に回ったことも、全裸は、剣よりも強しですか。見終わって平和な安堵感をもったのは、私ひとりだけでしょうか。女性の全裸に拍手です。女性の強さも感じました。
空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫)
一気に読み終えました。
読んだ人がそれぞれに感じて欲しい。そして、たくさんの人に読んでもらいたい。
詩は受刑者です。でも、そこに書かれてあったものは
純粋な心の言葉。
犯罪者を作らない世の中であることが大事であると。
色々な思いが残り、レビューの言葉が続きません。
とても素敵な詩です。作者に感謝します。そして、
編纂された寮美千子さんに。
授業風景も想像しながら、いかに素晴らしいものであったかがわかりました。
「人は変わるのです」
そう「人は変わるのです」
「人は変わるのです」
その人たちを受け入れる社会を作り上げることは
私達誰もが学ばなければいけない。
非難などいつでもできる。自分は関係ない、
悪いことをしていない。そういう問題ではないと思えた。
巷では幸せになるための本やセミナーが盛んな中
「幸せになりたい」と言う事が出来ない人たちがいる。
この本をこれから子育てをされる方にも、またお母さんを経験された方、
教育などに携わっている方には特にお勧めします。
写真も素晴らしく、古き良き建築物である奈良少年刑務所を
知ることができます。
この本には、たくさんの人のための様々なヒントとなる
澄んだ美しい言霊がありました。