ピース
サウスロンドン在住の少年によるボーイソプラノグループ、Liberaのニューアルバム。
やはり、美しい。
Liberaを聴いて感じるのは、ほんの束の間に咲く花のはかなさを、あるいは午後の木漏れ日の温もりを、愛おしむような気持ち。ディーバ(歌姫)ともてはやされているシンガーももちろん好きですが、ボーイソプラノには彼女達とはまた違う美しさがあるなぁと感じます。
それは、日本語の解説に述べられていたように、彼らの歌声が少年期のみに与えられたものだからかもしれません。
今作の楽曲は、どれも教会にいるかのように思わせるものばかり。 荘厳で、神々しくて、やさしい。 キリストやマリアを讃えることにあまり共感を覚えない自分ですら、思わず泣きそうになってしまいました。 歌詞は確かにある「言語」で書かれてはいるけれど、ほんとうの「ことば」は「音楽」なんだなぁ…。
2010年上半期、最も人にオススメしたい一枚の一位ですね。間違いなく。
トムやジョシュは年齢的にこのアルバムには参加してないかな?と思ったのですが、ジャケット(裏・中)を見て嬉しくなりました(笑)
黒人霊歌集
20年ほど前にノーマンとバトルの黒人霊歌集を買い見事な歌唱ではあるものの、オーケストラをバックにして芸術性を志向した演奏に違和感を感じ好きになれなかった。ピアノ伴奏かアカペラの素朴な霊歌を聴きたかった。今回のヘンドリックスの黒人霊歌集はそんな私の要求に見事に応えてくれた。時には静かな、時にはリズミカルなピアノ伴奏に乗り、ヘンドリックスは魂を込めて歌い込んでいる。キリストの十字架の光景を歌った「おまえはそこにいたか?」を聴くと涙が出るほど感動する。ヘンドリックスは敬虔なキリスト教徒なのであろう。歌唱力や声の良さを超越した世界がここにある。本物の黒人霊歌を聴きたい方々には是非お勧めのCDと言える。