スターシップ・トゥルーパーズ―新世紀架空戦記映画製作全史
公開当時本屋さんに行ったらなくて、聞いたら倉庫から持ってきてくれました。売れてなかったんですね・・
映画スターシップトゥルーパーズの製作決定までの過程や製作中の裏話、ボツになったバグのデザインなどが書かれててとても盛りだくさんの内容です。
帯に書いてあった
「戦争映画の大傑作! クエンティンタランティーノ」
「腰が抜けることは保障できる 押井守」
当時は二人とも知りませんでした(笑)
ちなみに本書の作者は本編でウォリアーバグの檻に牛を連れてく白衣着たおっさんです。
スターシップ・トゥルーパーズ
サラ・ブライトマンがクラシカルクロスオーヴァーで有名になる前の、ミュージカルスターとして有名になるそのまた前の、ロック系アイドルだったころ(ホット・ゴシップ時代)の曲です。今では考えられないぐらいのノリノリのナンバーで、ファンにとっては意外性がたまりません。
スターシップ・トゥルーパーズ3 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
悪評が多いので避けてましたが意外と秀作です。
ストーリーに線がきっちり出てます。
ひねりがあり登場人物もそれぞれ思惑があり思考錯誤で展開し結末を予測できなくしてます。
CGは1作目より金がかかってません。
巨大ムシの造形もそれなり見ごたえがあります。
グロシーンはひかえめでバーホーベンのようにはいきませんでした。
スターシップ・トゥルーパーズ [Blu-ray]
まともな映画評論家達には酷評されまくったが、映画秘宝のベストテンだけではダントツのベスト1位に押されていたご存じバーホベン監督のオタクと非オタクでは評価が真っ二つに分かれる問題作です。バーホベン特有の悪意に満ちた演出も素晴らしく、VFXを駆使した殆どやり過ぎの戦闘シーンもオタクなら感涙ものの出来。個人的には近年まれに見る正当派のSF映画だと思うが、なぜこの傑作を最低作などと評する人がいるのか全く理解できません。
宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))
P.バーホベンによる映画や、『ガンダム』に影響を与えたという話等から、派手なSFアクションをイメージしがちですが、実際にはこの作品で最も重点が置かれているのは主人公リコが一人前の軍人(=成人)になるまでに受けた訓練、なかんずく「歴史と道徳哲学」と呼ばれる思想教育の描写です。そしてその授業では20世紀の教育思想、社会主義は勿論のこと民主主義、つまりハインラインが生きている世界までもが繰り返し否定されています。
なぜハインラインは当時最隆盛を誇っていたアメリカの民主主義を否定しなければいけなかったのでしょうか?なぜユートピアとして軍国主義とも受け取られかねない世界を描いたのでしょうか?それは恐らくハインラインが自分の今いる社会に対して危機感を抱いていたからではないでしょうか。犯罪の増加、低年齢化、一般市民のモラルの低下、と言った現象が作品中で何度も述べられています。こういった危機感に対してどうすれば良いのか、幼稚とも危険ともいわれながらもハインラインなりに出した答がこの『宇宙の戦士』だったのではないか、そう思われてなりません。
ハインラインの感じた危機感は今や日本を含めて世界的に現実のものとなりつつあります。ハインラインの出した答には賛否が分かれると思いますが、この作品に描かれた危機感が身近なものとなった今、この作品は現代の読者に新たな問題を投げ掛けうるものと思います。
もっともエンタテインメントとしても充分楽しめますが。