The Woman in the Dunes (Vintage International)
欧米にもジレンマという概念があるので、砂の女を英語にするのは、それほど難しくなかったのかもしれません。
日本語で読んでも、意味は少しわからないところがありましたが、
英語で読んだ方が、ああ、そういう意味にも取れるんだと、意味が逆に取れることもあります。
著者の意図かどうかはわかりませんが、一人の読者の読み方であることは確かです。
砂の女 (新潮文庫)
私にとって安部公房は、「名前だけは聞いた事がある」程度の作家でした。
こちらで評判が良いので読んでみたところ、ぶっとびました!
言葉をこんなにも操れる人がいるなんて…。
ストーリーももちろん奇想天外なスチュエーションと展開と結末で面白いのですが
登場人物の心情や、砂の中に埋もれた村や家の様子。
平坦で易しい文章ではないのに、とても分かりやすい。
それは文章に臨場感があるからだと思います。
臨場感がありすぎて、自分まで口や体が砂っぽくなって来ます(笑)
この作品は映画化されたそうですが、私はあまり観たくありません。
安部公房の作品は、行間から各読者の想像を膨らますというよりも
行間を与えることなくストレートに映像が入ってくる感じがします。
映像よりも映像っぽい文章に映画化は要らないのでは…と思うのです。
あらすじは他の方が書いておられるのでその方を参考になさってください。
私はとにかく文章に注目して読んで欲しいです。
ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20 (河合塾SERIES)
文章の中で単語を解説してます。
現代文を始める前にこの本をやるのが良いと思います。
難関大の現代文にはパラドックスなどの難しい単語が必ず出てくるので
対策が必要です。
砂の女 特別版 [DVD]
十代の頃NHKで放送されたものを当時何十回も繰り返し観てましたね。芸術作品というよりは完全な娯楽作品です。子供でも十分楽しめます。中学とかのまだ頭の固まりきらない多感な頃に観る事をお勧めします。