中国黄土高原―砂漠化する大地と人びと
中国では現在も年平均で神奈川県の面積に相当する地域が砂漠化しているという。その最たる現場が黄土高原。ここではなんと、人々が生活のために農業を営むことによって砂漠化が急激に加速されているという。 本のはじめには、黄色い大地の断崖絶壁の上に農民がしゃがんでこちらを眺めている写真が載っている。絶壁の上には畑が耕され、羊が放牧されている。なんとも不思議な光景だ。牧歌的な風景とその前面にある不毛の地。農民にはその絶壁は見えていない…。 続いて、黄色い不毛とも思われる大地に生活する人々の農作業や暮らしの様子が写真によって描かれていく。 著者は山形の農家出身で長年、日本やタイの農業問題を、農民の農業や作物への思いを基底として描いてきた写真家だ。写真に添えられたキャプションや解説を読んでいくと、黄土高原にすむ人々が営む農業や放牧によって大地が破壊されていくことが理解できる。その内容は衝撃的である。美しい段々畑は著者によれば『貧しさの風景』だそうである。牧歌的な風景の裏にあるのは、おそろしい地球規模の自然破壊だった。しかし著者の視線は農民に対する共感を忘れていない。 撮影地は中国の未開放地区であったため、著者は日本のNGOの植林活動の一員として取材を行った。5年をかけた異色の労大作。
大地の風 地球で住まいを冷暖房
住宅業界の建材や工法、大手メーカーの効率生産、ローコストメーカーの安さ競争に明け暮れているときに、まったく異業種から参入した男が、それも本州の端っこのど田舎の町で、住宅からの健康と環境問題を見据えて、建築基準法で義務付けもされていない換気システムに着手し、とうとう自然エネルギーで夏に家のなかが涼しくなるものを創りあげてしまった。
環境が商売になる今では大手メーカーも当然のように宣伝しはじめた環境というコンセプト、田舎物の行動力にやっと時代が追いついてきた。
いつの時代も、変化は日本の端っこから起こり、最後は真ん中が儲けてしまうのか・・・成功を祈りたい気持ちだ。