HIDEKI 70’S
40を過ぎた自分がふとした拍子に過去を振り返って、そのころの曲を無性に聴きたくなる。そういった気分で「ラスト・シーン」を聴くと思わず熱いものが・・・。10代のときには、「ヒデキなんて・・・」と馬鹿にして洋楽ばかり聴いていたのですが、なかなか聴かせる曲のオンパレです。
ブルー・スカイ・ブルー
今回はアルバムの半分をBsの市村さんとGtの西沢さんの楽曲が占めるという、今までのjajaを知る者にとっては画期的な作品です。Saxの秋山さんの狙いすぎたバラードに食傷気味だった私にとってはとても新鮮でした。でもその分音楽的には色が薄くなってしまったことと、韓国メロドラマに涙するようなコアファンにはちと明るすぎるところが心配です。しかしバンドとしては格段に上手くなっているし(特にDrの高島さんが)一皮剥けた感は十分にあります。市村さんの作曲能力には1stの「デスパラード」のから注目していましたが、今回ようやくスポットが当たって嬉しいです。秋山さんには今後ちまちましたバラードより、もっとスケールの大きな作品を期待したいです。引退しても自分が一番目立とうとするアントニオ猪木より、晩年は後進に道を譲りながら前座でいぶし銀の存在感を見せていたジャイアント馬場のように、秋山さんにはプレーヤーとしてもっと精進して他のメンバーを上手く引き立てる、そんな心の大きさを更に見せてもらいたいと思います。期待しています。
スカイ・ブルー・スカイ
一足先に輸入盤で音を聞きましたが、美しいメロディとメランコリックなギターがとても印象的な、柔らかい日差しの中でリラックスしながら聴きたい大人のためのロック・アルバムです。とはいえ、まだ全曲の詩をじっくり感じたわけではないのですが、彼らが一貫して持ってきた問題意識をしっかり感じられる曲もちゃんとあります。一般的に名盤といわれる前々作「ヤンキー・ホテル・フォックストロット」に勝るとも劣らない作品だと思います。「ヤンキー〜」ではニューヨークでのテロという社会背景からの影響が少なからず感じ取れましたが、この新作ではジェフ・トゥイーディーが更なる深みの境地に達したような、一人の人間として信じられる、詩情にあふれたとても情緒豊かな楽曲が多いように思います。地元の盟友ジム・オルークもギター、パーカッションなどで参加しており、聴きこむにつれてその世界がどんどん滋味深く広がっていくようなアルバムです。ずいぶん長く来日していないので、日本でのライヴを見たくなりました。