銀行員諸君! (新潮新書)
第一勧銀4人組の一人である江上剛氏は、銀行業界では有名なのでしょうか。みずほ銀行築地支店長を最後に退職された方ですが本部経験も長く、銀行内官僚として行内のパワーポリティクスも詳しいのが伝わってきます。
しかしながら、銀行経営というものに対する江上氏の考えはあまりにも情緒的に見えてしまいます。彼は作家は向くけど中身の議論はしない方が身のためなのではないでしょうか。頭が切れる欧米バンカーの、科学的リスク管理こそが銀行経営の真髄という感じの姿とはかけ離れていて、所詮銀行で出世してた人ってこんな程度なのねということを実感したい方は是非どうぞ。
円満退社 (幻冬舎文庫)
誰にでも訪れる「最後の出勤日」を平穏に過ごしたい。
そんな思いを見事に打ち砕くような事件が、次々と起こるありえない現実をコミカルに描き、そのドタバタぶりはまるで舞台を見ているようです。
解説は著者とTV番組で共演されていた八塩圭子さん。
八塩さんも書かれていましたが、「人生をリセットしてしまいたい症候群」にかかってしまいそうな現代人を優しく支えてくれる作品です。
銀行員として偉大な実績を残しつつも早期退職を希望され、
作家として新しい道を歩み始めた著者もきっとどこかで人生を振り返り悩まれたのではないかと思います。
定年間近の方もバリバリ現役サラリーマンの方も、この小説を読み終わったらふと自分のサラリーマン生活の価値に気が付くはず。ぜひ読んでみて下さい。
戦いに終わりなし―最新アジアビジネス熱風録 (文春文庫)
この本の内容が書かれたのが2007年以前のため、
リーマンによってアジアがどう変わったかまでは
わからないのが残念。
ただ、アジア各国と日本との関係や
アジアの各国々の人種などは分かり、ためになる本。