誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡
ユーゴスラビアという国が戦争、解体していた激動の時代をサッカー選手としてどのように感じながらプレイしていたかというのが分かります。
基本的にストイコビッチについて書かれていますが、これを読むと当時のユーゴスラビアの状況も分かります。
現在も続いている激動の時代において、ストイコビッチという選手は国民に対して希望を与え続けていたのだと感じました。
今後もストイコビッチがセルビアと日本に対してどのように関わっていくのか注目していきたいと思いました。
ドラガン・ストイコビッチ完全読本 Finale Dragan Stojkovic
分厚いです。ピクシーの引退に関して多くの関連本が出ましたが、そのなかでもかなりの秀逸な作品です。編集がヤングジャンプだけあって、ピクシーの歴史をわかりやすく振り返ったマンガも載せています。あと、ピクシーのことを他の選手達にインタヴューした記事が載っていますが、その選手達が多岐にわたり、過去にグランパスに在籍したデュリックスの声も載せており、懐かしさがこみ上げてきます。写真なども多く掲載されており、よりピクシーの事を知ることが出来ます。
ザ・レジェンド オブ ストイコビッチ [DVD]
やはりストイコビッチが稀有なプレーヤーだということはこのDVDでも明らかですが、80年代からサッカーを見ているものには、レッドスター時代の彼のプレーが少なかったこと。なんといっても88~89チャンピオンズカップ(リーグではない。)のレッドスターVSACミランとの死闘は、もし霧がなくてミランが負けていれば、その後の黄金時代はなかったかもといわれる凄い試合として伝説になっているが、このDVDではカビラの「次々とファンタジーを炸裂させる」と期待させておいてたった1プレーしか見せてくれていない。しかし、このバレージをぶっちぎったドリブルシュートを見るだけでも彼がいかに優れた選手かがわかる。
彼が絶頂期を向かえたであろう25~30歳の間に、自身の怪我や様々な不運に見舞われたのはファンとしても本当に悲しい。もし順調にキャリアを積み重ねていれば、彼はマラドーナやクライフと並ぶ名声を得ていたはず。でも日本のファンにはラッキーでしたね。
誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡 (集英社文庫)
かつてユーゴスラビア代表として活躍し、Jリーグ名古屋で現役を終えたストイコビッチのサッカー半生記。セルビア・モンテネグロサッカー協会の会長を経て、現在は鈴木隆行が在籍しているレッドスター・ベオグラードの会長を務めています。
優れたサッカー選手としてだけではなく、ユーゴ内乱という激動の時代に代表チームの精神的支柱としてもキャプテンシーを発揮する姿が描かれていますが、偏狭なナショナリズムではなく本当に心の底から祖国を愛する姿にその偉大さをつくづく再認識しました。