RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)
高校生になった、泉水子。地元の高校に行かず、東京の高校に進学することになりました。
小さい頃からの知り合い、山伏の深行と一緒に進学するが深行は泉水子に冷たく接します。
新しいルームメイトの真響(まゆら)、真響の三つ子の弟・真夏など、個性的な人物も登場します。
高校生活も後ろ向きに過ごすことになってしまいそうになっていた泉水子ですが、ルームメイトの真響の明るさに触れ、段々自分を変えたいと思い始めます。
前巻は泉水子の髪の毛にスポットが当てられていましたが、今巻はメガネにスポットが当てられています。
メガネをはずしたことで、見えなかったものが見えるようになってしまい、騒動に巻き込まれていきます。
荻原作品で今までにないジャンルの話だと思いました。
現代日本でもあるのですが、山伏や陰陽師なども織り交ぜてあります。
やっぱり面白かったです。読み始めたら、サクサク読めてしまいました!
次巻も楽しみですv
RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女 (カドカワ銀のさじシリーズ)
このシリーズ、表紙のイラストそのままの内気な少女が実は恐ろしい「姫神」の依り代だったというお話で、その落差の大きさに驚きながらも、少しずつ見せる少女の成長ぶりが見所と言えます。第四巻となって、いよいよお話の概要が明らかになってきました。
書名にも入っている「世界遺産」という言葉は前巻当りから出てきたのかな?正直言って違和感があったのですが、読んでみるとその辺が「普通と違う荻原ワールド」の真骨頂なのだと分かって来ます。荻原氏は主人公の少女「泉水子」が巻き込まれた世界遺産選定騒動を通して、彼女の身に降りかかる過酷な運命を描こうとしているようです。
姫神の口から語られる驚くべき事実から、人類の命運を握る泉水子の未来が見えてくる・・・その衝撃の「真実」に唖然です・・・。
現代の学園生活がメインなのでライトノベル風の感触?特別「深い」描写は無いのですが、少女から女性へと変りゆく泉水子の恋模様も絡めて、登場人物それぞれの立ち位置が微妙に変わって行く所も面白い。姫神と泉水子の変貌振りなど、目が離せない展開が続く第四巻です。次の第五巻が大詰めになり・・・完結は六巻位かな?
RDG3 レッドデータガール 夏休みの過ごしかた (カドカワ銀のさじシリーズ)
お待ちかねレッドデータガール第三巻。
たよりなさすぎて、大丈夫か心配になってくるほどだった泉子ちゃんがこの巻で一歩自立しましたね。いい意味で、頭の切れる策士の登場人物ばかりいる、レッドデータガールでは、純粋で素朴な主人公がいてこそ、うまくバランスが取れているな、とこの巻を読んで思いました。前半では、何気ない夏休みの様子にほんわかとした気持ちになれました。
内容自体は面白かったですよ。やはり荻原さんは、日本神話や日本独自の不思議の世界をからめた本が、特に優れていると思います。しかしレッドデータガールで扱っている日本の不思議の世界を、現代の日本の高校を舞台にお書きになるのは、少し無理があるのでは、とは感じました。
それにしてもページ数が少なすぎます。荻原さんのゆったりとしたペースで、あの短さはないでしょう。やっと物語が本格的に動き出したかと思ったらもう終わりなのですから、かえってまとまりが悪いまどろっこしい本になってしまっています。
出版社のほうももう少し、荻原さんがどんな本をお書きになるのが、得意かを理解して、それに合わせるべきではないでしょうか。せっかくの荻原さんの魅力が発揮できていません。残念です。