ムソルグスキー:展覧会の絵(ピアノ&オーケストラ版)
オケ版の金管が良かったのは期待通りでしたが、ピアノ版の奏者がラザール・ベルマンだったことは、買ってしばらくしてから気が付きました。アシュケナージのピアノ&指揮のCDも持っていますが、どれも味があって気分で聞き分けています。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番/カーネギー・ホール・ライヴ
長い間廃盤だったラザール・ベルマン49歳時、1979年3月11〜12日録音の
カーネギー・ホール・ライヴが、喜びの再発売となりました。
若かりし頃は『リストの再来』・『ホロヴィッツの後継者』とも言われていたベルマンのこのCDは
初発当時もLPで繰り返し愛聴しており、今更新たな発見というわけではありませんが、
巧みな指運による自信満々の演奏は、現在でも聴きごたえ十分です。
客席の空気までも忠実にとらえた音の良さも付加価値となっています。
冒頭のクレメンティの胸をすくよう演奏は、指ならしとしては十分すぎます。
イン・テンポで淡々とした演奏は実にたくましく、
かの大家ギレリスをも彷彿とさせるベートーヴェンの悲愴。
ショパンのピアノソナタ第2番 第3楽章における堂々たる展開・・・。
どの曲においても、もはや巨匠ぶりを感じさせます。
最後にガーシュインをもってくるなんて、おしゃれな演出ではないですか!
今回新たにカップリングされたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は、
ほぼ同年代のアバド&ロンドン響とのものですが、これまた熱い演奏!
この曲だけでも何度も聴き返してしまいました。
当時の政治的背景によって満足な演奏活動ができなかったことに比例し、
晩年の録音もほとんどCD化されていないため、この盤は特に貴重な存在です。
次はリストの超絶技巧練習曲集《ビクター:VICC-2022》の復活を期待します。