宰相の資格
現在の菅直人(10.6〜)から遡り、鳩山由紀夫(09.9〜10.6)、麻生太郎(08.9〜09.9)、福田康夫(07.9〜08.9)、安倍晋三(06.9〜07.9)、小泉純一郎(01.4〜06.9)の歴代総理の資質と資格を再確認しておこうと読んだ。特に政権交代後、目に余る迷走のDPJ政権、鳩山前首相と菅現首相については後世に語り続ける必要がある。基本的にこのお二人は国益をどう考えているのか。国益を損なう宰相の下での国民は最も悲惨だ。 菅総理は、領海侵犯事件を単なる刑事事件とし、全てを地検判断に任せる形にし、政治の担うべき責任を回避した。政治主導の真価を発揮出来る戦略的局面であったのに、これで国益は守られるのか。 鳩山前総理の抜きん出て高いCO2削減目標は国益に資するのか。鳩山氏の強い思い入れのロシア外交と北方領土問題の取組は何だったのか。北方領土はソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄し攻め入り不法に占拠したもので、、満州越境し婦女への行った蛮行と共に、世界中の人類全てが忘れてはならない事実だ(Berlinでの婦女子への蛮行も同様)。虚言癖や道徳心の欠如、政策の国益毀損の自覚なし、政策以前に人間的資質の問題、金銭事情のいかがわしさ、と著者は痛烈に批判する。沖縄普天間問題も、具体的目算も何も無く安易な願望の表明のみ。外国人参政権問題も、元は特別永住外国人だったが、一般の永住外国人にも及ぶ。これは近年際立った増加を見せる中国人が多く含まれる。鳩山由紀夫という方は、戦後日本の家庭教育、及び国民教育の失敗の代表事例と、著者は言い切る。ところで中国は65種の犯罪に死刑を適用する世界で例外的な存在。2009年度全世界の死刑執行は714人、その内イランが388人以上、イラクが120人以上。一方で情報非公開の中国の死刑執行は3千人から1万人だった由。鳩山氏は国民の「いのちを守りたい」と連発するが、日本人が中国で処刑されても鳩山氏は声を上げない由。最近のお二人は歴史に残るDPJ宰相たちである。
もう、資格だけでは食べていけない
士業の現状分析に始まり、意表を突く資格の専門業務以外のコンテンツでの売り上げアップの方法、的をしぼった営業の仕方、具体的なコンテンツの作り方、事務所を拡大する場合のスタッフの雇い方まで、相変わらず横須賀てるひさ氏の実践から得たアイデアや、微に入り細にわたる知識の豊富さには恐れ入る。
資格で開業を夢見る人にはショッキングな書名だが、本文を読めばむしろ逆で、今までの単なる開業、営業の仕方から、本書にあるような資格起業家と自分自身が自覚して、自分の頭でアイデアを生み出し、それを改良しながら継続して士業の事務所を経営していく。無論簡単な事ではないが、これが出来ればまだ資格でも食べていけるという事を力説しているのだ。
行政書士や社会保険労務士など、資格取得者が多い資格での開業ではなおさらであろう。開業する前にライフプラン表でも作った方が良いかも知れない。
ところで本書には購入者特典として本書に収録しきれなかった情報を無料でダウンロードできるおまけ?がついている。こういう売り方にはいい加減飽きたし、あまり良いとも思わないが、本書の無料ダウンロード情報には、誰もが疑問に感じる基本的な事について、横須賀てるひさ氏が独自の切り口で答えていて、無料特典の出来もなかなか良かった。
雨の刺客―手ほどき冬馬事件帖 (コスミック・時代文庫)
元・火盗改め、半隠居して釣りを楽しむいっぽう、武芸百般「ふうらい指南」の看板を出している矢沢冬馬。
風野作品らしい自然体ヒーローではあるものの、寺子屋の女師匠との淡い恋、ワケアリの弟子入り志願者たちとの師弟愛、大きな剣道場の主である親友との緊張感のある関係など、「男前」な生き様がなんとも魅力です。
ワケアリ弟子のひとり、馬術を習いにくる謎の若さまの横柄な颯爽ぶりもですが、やはり親友との死闘の結末が泣かせます。
斬らざるを得ないときは、淡々と悔いなく斬る。けれどニヒルでもハードボイルドでもない、悠揚たる男のかっこよさ。
文章がときどき、生き物のようにかまくびをもたげる瞬間にも出会えます。
風野ヒーローの原型に萌えます。