田渕由美子 作品集★2 こさあじゅ
田淵さんの書くヒロインには、タバコをすってわざとワルぶったり(「こさあじゅ」「珈琲ブレイク」)、成績優秀をコンプレックスに感じていたり(「夏からの手紙」)する、ちょっと周りから浮いた女の子が多い。女の子は素直で、少しバカなぐらいがカワイイ、という時代に、彼女たちはとても新鮮に映ったものだ。そのうえ、彼女たちの住む部屋やファッション、そしてせりふまでがなんと洗練されていたことか!
また、同時代の陸奥A子さんがほんわか乙女路線だったとのは対照的に、厳しい現実(「あのころの風景」「午前0時のマドモワゼル」)がベースになっていたりもして、何度も読み返しては、切ない思いに浸っていたものです……。
でも、どうして新刊が出ないのですか? 田淵さんも山登りもいいけれど、A子さんのようにまた書いてほしいなあ。
田渕由美子 作品集★1 フランス窓便り
私が中学生の頃、愛読していた作者の一人、田淵由美子さんの作品。
どの作品も優しさに溢れた作品ですが、この作品は、その代表作の
ひとつでしょう。
女の子3人の共同生活、その三人の恋の物語をコミカルに優しく
描かれています。こんな、学生生活を過ごしたかった…